
今日はカルチャーセンター「社会思想ゼミ 市民社会の批判的・歴史的検討」宮台真司先生、堀内進之介先生。に行ってきました。
まず堀内先生が、市民社会といつもいわれるが実現するのかと疑問を提示します。
宮台先生。べき論で変わるとは思っていない。システムを変えることが重要だ。
基本的に「いいことをすると儲かる仕組み」が必要だ。
堀内先生。外国に行くと本当に競争社会でしんどいと思う。しかし、日本は空気に縛られる。両義的だがどちらかを選べといわれれば欧米型を選ぶ。
その後、現在の日本のダメさ加減をいいつのります。
宮台先生。TPP。リカードの比較優位説を持ち出す経済学者がいるが、それは平時のときで失業者がゼロのときのはなし。TPPを実行すればアメリカから安い農産物が大量に入ってきて、価格の下方圧力がが起こる。しかし将来不安があるので消費にはまわらずデフレになる。すると購買力平価説にしたがって円高になり、5%の関税なんか吹っ飛んでしまう。
また日本でソーシャルビジネスをはじめると「金に目がくらんだのか」といわれてしまう。
堀内先生。官庁が公募を出す。はじめから決まった企業にヒアリングをさせる。そして10日ぐらいで閉め切ってしまう。事実上他の企業は手を出せない。
自分は妻がアメリカ人なので子どもには英語教育しかさせていない。日本はダメになるだろうから逃げる準備はできている。
と、いろいろ日本のダメさ加減を語って、結局エリートが自立してダメな民衆を導いていくしかないという結論になりました。
宮台先生の意見は複数のメディアでいつも聞いているので、一貫しています。だから、すでに聞いたはなしも多かったです。
これだけ理路整然と説明されると、反論の余地もなさそうで納得してしまいますが、僕の意見をいわせてもらうと「確かに日本はダメだが、全部が全部ダメなんだろうか」というものです。
決して現状を肯定しようとは思いませんが、僕のような人間でも何とか最低限の文化的生活を送れているし。アメリカにも欧州にも新興国にも途上国にもそれぞれ、日本にはない大きな欠点があるのではないか。ダメなところの全くない(そんなことはいってませんでしたが)国も時代もないのではないか。
もちろん価値観によってどこがよくどこが悪いというのは違いますが、日本にも良い点もあって、変革はそれを失う面もあると思います。
両先生方もそれは否定してないと思いますが、良い点も意識して議論をしてもいいのではないでしょうか。
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