2014年12月10日水曜日

民主党

総選挙で自民党が圧勝する勢いということですが、こうなってしまったのもやはり民主党政権への失望が大きいのではないでしょうか。

現在の安倍政権の政策に反対の人は多くると思いますが、民主党がその受け皿になりきれていないのが現状ではないでしょうか。

民主党は政権を獲ったら、しがらみのない自分たちは、多くの無駄を省き自民党が実現できなかった政策も実現できると喧伝していました。
しかし、実際に政権を獲ったら、子ども手当、農家の戸別補償、高速道路の無料化、沖縄の基地の県外移設、等マニフェストに掲げた政策は、ほとんど実現できず、高校無償化ぐらいしか実現できませんでした。
そして、TPPの参加や、消費税増税などマニフェストに掲げていない政策を実現していきました。
これでは、残念ながら信頼を失うのもしょうがないといわざるを得ません。

また、その間の経済は、株安、円高、デフレスパイラル。これでも国民はたまらないと思ったとしても当然でしょう。

アベノミクスを批判するのはいいのだけれども、安倍政権は実際に株価を2倍に、円安を大幅に進めたのは事実です。

つまり、民主党が口でどんな綺麗ごとをいっても、安倍政権を批判しても、「じゃあ、民主党政権のときはどうだったんですか?」といわれたら返す言葉がない。

では、なぜしがらみのない民主党が、300議席を獲って、衆参両院で過半数を獲って、政策を実現できなかったのですのでしょうか。

受け売りですが、社会学者の宮台真司さんによれば、社会学者のM.ウェーバーによれば、近代の権力闘争の最たるものは、「政治家」と「官僚」の血で血を洗う命懸けの戦いだといいます。
官僚とは、既存のプラットフォームを守るために命懸けで戦う生き物だといいます。
民主党でもっとも実力があった小沢一郎さんを、あんな些細なスキャンダルで追い落としたのも、官僚の側が民主党を潰そうと画策した証拠ではないでしょうか。

民主党の失敗、それは官僚との戦いに勝てなかったこと。このことが大きいのではないでしょうか。

その他、経済政策の失敗。尖閣や東日本大震災における統治能力の未熟さ、が国民に不安を与えたこともあるでしょう。

だから、その後の選挙で何か理想的なことをいっても、実行力が伴わなければ、絵に描いた餅です。

前回の選挙の大敗から、今日にかけて、この「実行力の欠如」の問題を真剣に考えてこなかったことが残念です。

本当は、政権にあるときこそ「実行力」を示すべきです。

それができなかった以上、今日の苦戦はやむを得ないのではないでしょうか。

そして、それは阿倍政権に反対の人達の選択肢を奪ってしまったという点で不幸なことだと思います。

「実行力の欠如」の克服を口でいうのは難しいことです。
正に「実行」によって示すしかないのです。

選挙で国民の反応がうすくて辛いかもしれませんが、それは選挙戦略ではなく、今までの「行動」の結果だと思います。

せめて、この辛さを糧にして、次に政権を担った時は何としても結果を残す「実行」をする心意気でいてほしいと思います。

今回はこのような不利な戦いの中、その場で綺麗ごとをいうのではなく、逆に長期的な展望にたって戦ってもらいたいものです。

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