
宇野常寛『リトル・ピープルの時代』を読みました。
先ず、村上春樹の小説の分析から始まります。
現代は「大きな物語」を代弁する「ビッグ・ブラザー」の時代から、システムと「小さな物語」が乱立する「リトル・ピープル」の時代に入ったとします。
そのリトル・ピープルの時代を分析するにあたり、平成仮面ライダーを分析します。
知らない人は驚くでしょうが、平成の仮面ライダーはかなり冒険的な作品が多く興味を引きます。
そして結論として、現代は「ここではないどこか」を求める「仮想現実」から「いまここ」を深く掘っていく「拡張現実」の時代だと結論づけます。
始めの、村上春樹の分析は引き込まれました。
次の仮面ライダーの分析はたいへん面白かったのですが、どこがリトル・ピープルに対応するのかなど、ちょっと分りづらかったです。
補論も含めて、強く興味を引かれましたが、少し混乱して、どう時代と対応しているかが分りづらいところもありました。
しかし全体に濃い読書体験でした。
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