2012年9月8日土曜日

『統治二論』


ジョン・ロック著 加藤節訳『完訳 統治二論』を読みました。

17世紀イギリスで、社会契約論を展開した本です。

二つの統治に関する論がのっています。

一つはフィルマーという人の王権神授説を論破するものです。
フィルマーは王権は旧約聖書のアダムに由来する絶対的なものだといいます。しかし、ロックはならば王が複数いることはおかしいではないかと反論します。

二つ目は、我々の統治の目的がプロパティ(生命、健康、自由、財産)を守るものであり、君主といえどもその目的以外に権力を使うことは許されないというものです。

そして、もし君主が自分の思うがままに国民のプロパティを侵害したら、国民は叛乱を起こす権利があるといいます。

名誉革命など、国が混乱していたときとはいえ、随分おもいきったことをいうものだなと思いました。

オランダに亡命していた時期もあったそうです。自分の主張に命をかけている。すごいです。

現代の人間からすれば、結構あたりまえのことをいっているようにもみえますが、当時このような主張をすることは大変なことだったのでしょう。

これらの主張が「神の意志」にかなうものだという主張の方は、現代人にはピンとこないかもしれましせん。

哲学書にしては結構あっさりとしていて、読みやすい本でした。

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