アニメーション映画「この世界の片隅に」を、渋谷ユーロスペースで10:30から見てきました。
戦争時代の広島の物語です。
はじめは、淡々と物語は進みます。
それから戦争の悲惨さが表現されるのかと思いました。
よくあるパターンじゃないか、と思いました。
よくあるパターンなのです。
でも、後半は涙が止まらなくなりました。
はじめの印象は、主人公の少女の描き方や、昔の風俗の描き方が理想化されすぎてやしないかというものです。戦争を直接知らない世代が大多数になって、かつての大戦はリアリティを失ってノスタルジーの対象になっていくのかと思いました。それは、それで間違いではないのですが、後半の戦争の描写の迫力にそんなことはどうでもよくなってしまいました。
原爆投下の日が刻々と迫ってくるのには、涙が抑えきれませんでした。がしかし、直接広島では原爆にはあわなかった。
かわいそうとみるか、運がよかったとみるか。
主人公は大けがをして、親戚の子どもを失いますが命は取り留めます。
かわいそうではあるが、実際には大量の人が命を落としているわけで、それを直視するなら主人公も死んでもおかしくはないとは思いました。
残酷なようですが、現実の戦争の方がもっと残酷なのだから。
主人公の性格は、最初は見る側のご都合主義でおっとりいい子として描かれていると思いましたが、途中で感情を爆発させたり、魅力的に見えてきました。
後半は少し印象が変わりますが、全体的におっとりとした雰囲気のトーンの作品です。主人公もおっとりです。それがかわいくも見えてくるのですが、ちょっと甘ったるすぎるようにも見えます。
しかし、今年は「君の名は。」が大ヒットして各賞を総なめしそうですが、本作のような良作が評価されにくいというのはもったいないと思いました。
2016年12月5日月曜日
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