自らも地下アイドルとして活躍していた姫乃たまさんの「職業としての地下アイドル」を電子書籍で読みました。
まず、自らのいじめ体験や学校への不適応の話がありました。姫乃たまさんはイベントにいってお話したことがあるので親近感がありました。
地下アイドルとそのファンの人達へのアンケートをもとにその実態に迫ります。
この本で主張されているのは、アイドルたちは普通の女の子だということです。もともと日本には女の子を愛でる文化があり、女の子には自己承認欲求がいつの時代にもあるといいます。それが今の時代やメディア環境によって結びついたところにアイドル文化が花開いたといいます。ただ2つだけアンケートでアイドルの女の子だけ特異な数字があります。それは、「親に愛されている」という質問と「いじめにあった」という質問に「はい」と答える割合が普通の女の子に比べて非常に高いというものです。これは僕には意外なものでした。親からの愛情が薄いから承認欲求が高いかと思っていました。また、アイドルになる子は学校では人気者なのかなと思ったら、意外といじめ被害者多いというのです。親から愛されていたので人から愛される喜びを知っていて人から称賛を受ける職業に就くことに躊躇がなく、逆に愛されすぎて他の子と違っていじめられると推察されます。
ファンの人達との関係は、ちょうどよい距離感をとっていい関係だといます。僕の印象だとこの本が書かれた時期より現在の現場のほうが、女の子のファンが多いように思いました。
姫乃さん自身は学校でも不適応をおこして、アイドルになっても仕事を断れなくて、結局鬱になってしまったそうです。その後、文章を書くなど自分のやりたい仕事をして、自分の付き合いたい人だけと付き合うようにして鬱から抜けだしたそうです。
そして、この本を読んで少しでも気が楽になってくれる人がいれば嬉しいといっていました。
アイドルが特殊な人達ではなくて、きてくれるファンのこともありがたく思っていて、でも悩みもある。最近地下アイドル文化に触れてきて、どう振る舞ったらいいかとまどっている僕にとってはホッとする本でした。
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