
有名な命題「何者も疑いうるが、疑っている私自身の存在は疑い得ない」という理論から出発します。
自分が思惟しているあいだは思惟していることは実在するというわけです。
さらに、自分は欠陥があるのに完全なものを想像できる、従って我の外に完全なるものが存在しなければならないという理論で神の存在を証明します。
そして、神は完全にして善であるから神は欺かない。だから私にとって判明なことは真である。
と、僕が理解したかぎりではこのように理論が展開されていきます。
さらに、身体と精神とを分離する、心身二元論を展開しますが、これは中世のアリストテレスの自然観を打ち破るものでした。
全体としての感想は、今までの思想を根本から疑ってみるという徹底性は賞賛に値すると思いました。しかし、現在の哲学や科学からすると、まだ未熟な点もあるように思います。それで、デカルトは批判もされますが、まだ誰も近代を経験していない中で、一人でこれだけの哲学大系を作ったことは偉いことだと思いました。
ちなみに翻訳者の三木清は、翻訳中投獄されて獄死しますが、死後この翻訳が見つかったそうです。丁寧な字できれいにそろっていたそうです。
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