
今日のカルチャーセンターは「ケインズ 経済学の名著に学ぶ」第一回。講師は東京大学大学院教授の松原隆一郎先生です。
ケインズは大学町ケンブリッジに生まれイートン・カレッジ、ケンブリッジ大学キングス・カレッジとエリートコースに進みます。
父も経済学者でした。
ケンブリッジには優等生で組織される秘密結社「使徒会」というのがあって、そこで若い頃から論文を発表していました。
当時のヴィクトリア朝では、一方では道徳に厳しいが、一方では児童労働や売春などがある欺瞞的な社会でした。
ムーアという哲学者が『プリンピキア・エティカ』を発表。ラッセルも同年『数学の原理』を発表。オックスフォードのヘーゲル主義に対して「分析哲学」が確立されました。
その中でムーアのいう「善」は他の言葉におきかえできないとう命題にケインズは感激して、一般の社会通念にとらわれず、自分にとっての善を追求することになりました。
ムーアはその後、行為のただしさの基準として道徳律をとなえたことでケインズは反発して、
『確率論』を書きます。
帰納法で考えれば将来どうなるかは蓋然的で確実なことは言えない。
その後、英国の大蔵省に入って、パリ講和会議でドイツに返済不可能な賠償金をかすことに反対します。そうすると新たな勢力がでてくると、ナチズムの出現を予言します。しかし受け入れられずに辞職します。
今日はケインズのひととなりの紹介でした。
あれだけの有名な理論を作った人だけに、人物としても面白いしスケールも大きい人だなと思いました。
このように自由でありながら公共的にものを考えられる人は真のエリートというべきだろうと思いました。