
昨日、谷崎潤一郎の「細雪」を読み終わりました。
何ヶ月もかかって。
芦屋の良家の四人姉妹のうちの三姉妹の物語です。
ストーリーやメッセージというより、谷崎の筆によって繊細に描かれている世界の魅力にとりつかれてしまいます。
三姉妹もそれぞれ性格が細かく書き分けられていて、現実感があります。
僕は末っ子のこいさん(末娘の関西弁)妙子が好きです。
現代的で自己主張が強くてちょっと不良なところが魅力的です。
それぞれ魅力的なのですが、更に神戸や京都などの関西の美しい舞台を背景に描かれた世界すべてがいい雰囲気を作っています。
その世界を描くために東京出身の谷崎はかなり細かく調べて書いているらしいです。
それだけの魅力を出すためには、それなりの努力が必要だということでしょう。
とにかく一つの文が長い谷崎の文体も、はじめはうっとうしかったのですが、慣れてくるとそれも魅力に感じました。
このような作品を日本文学に残してくれた谷崎に感謝したいといった感じです。
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