2013年8月21日水曜日

『宮台真司・愛のキャラバン』

電子書籍、宮台 真司、鈴木 陽司、高石 宏輔、 公家 シンジ 著『宮台真司・愛のキャラバン--恋愛砂漠を生き延びるための、たったひとつの方法』を読みました。

ナンパについて書かれた本です。どうすればうまくナンパができるか、そのとき女の子はどんな心理状態にいるのかなどが話し合われたトークショーの記録です。

なるほどと思わされるところも多々ありましたが、根本的な疑問として、果たして全ての男がナンパをしたがっているのかというものがありました。

しかし、これをナンパに限らずに人間関係一般に広げて考えると、参考になることもあるなと思いました。

そして、本文よりもあとがきが面白かったです。

カリスマナンパ師として活躍している著者たちだから、さぞかし強いのだろうかと思いきや、全員深い挫折を味わって仕方なく、いつの間にかナンパ師になったというのです。

大きな失恋をしたり、勉強をしていて突然文字が読めなくなったり、引きこもりだったり。

それを知って、段々親しみを感じることができるようになりました。

もちろん、それらから回復するのに必ずしもナンパでなくてもいいとは思いますが、人間、失敗から色々なことを学んでいくんだなという教訓を得た感じです。

宮台真司さんが、映画「風立ちぬ」で、主人公の女の人の描写が薄っぺらすぎると批判していました。

僕の考えは違って、宮崎駿監督作品の女の人は皆、誰に対しても礼儀正しく、ガンバリ屋であるのは同じで、それは絵空事なのだけれども、世知辛い世の中をいきている人々が、絵空事と分っていてもそこに一瞬のオアシスを感じる。そういう役割があるのではないかと思っていました。

しかし、この本を読んで、宮台さんは女の人にひどく振られ、ナンパの道にはまって、そこでもナンパサイボーグと化し苦しんで、やっと現在の奥さんと出会って幸せを手にした。こういう艱難辛苦をのりこえてきた人から見ると、絵空事のいい人なんて薄っぺらく見えてしまうのかなと、宮台さんの気持ちが少し察せられたような気もしました。

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