2013年8月9日金曜日

『菜穂子』

映画「風立ちぬ」の主人公の名前のもとになった堀辰雄著、小説『菜穂子』の青空文庫をiPadで読みました。

細やかな、風景や心理の描写で、気の強い主人公、菜穂子の半生を描いています。

はじめは、主人公の母親の日記で、気の強い娘との心の行き違いが描かれています。

そして、主人公は気の弱い男と結婚します。

その後悔の中、病に倒れ信州に療養にいきます。

そこに幼なじみの、病弱な男が訪ねにきます。

主人公、菜穂子の繊細な心の動きと、風景が美しい筆致で描かれています。

奇麗な絵画作品を見ているようです。

ちょっと気取りすぎかなというところもある、奇麗すぎる文章で書かれています。

地味な作品ですが、読んでいくうちに引き込まれていきました。
文学とは、こういうものなのだなと思わせる作品でした。

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