宮台真司の『中学生からの愛の授業』を夕方帰ってから一気に読み終えました。
恋愛や性愛についても書かれてありますが、むしろ現在の宮台氏の思想をまとめたもので必ずしも「愛」について書かれたものばかりではりません。
宮台氏の思想は時期によって微妙に異なります。
始めは理論社会学者でした。
女子高生やオタクを分析していた頃は、
社会の問題と実存の問題を分けて、システムの組み替えを主張していました。
それが次には、「意味」から「強度」へという、実存の問題を語るようになりました。
さらに、それが進んで「主意主義」と「主知主義」が右翼と左翼を分けるとして、自分は「主意主義者」だから「本物右翼」であるという過激な立場に立っていきます。
そして現在は、「愛」を主張。90年代の頃と比べると変わった部分もあるし変わっていない部分もあります。
この本のキーワードは「愛」よりは、「絆」でしょう。
かつて共同体批判をしていたころとだいぶ変わった印象を与えますが、実際変わったのでしょうか、それとも続いているのでしょうか。
最後に「絆」を築けているかどうかの物差しを、「一人で孤独に死ぬかどうか」という問いに求めます。
この変化は、母親の死や、結婚、育児など個人的な変化が影響しているのでしょうか。
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