宮台真司、石原英樹、大塚明子の『増補 サブカルチャー神話解体 少女・音楽・マンガ・性の変容と現在』を読みました。
単行本版は、買ったのですが難しすぎて読み終わっていませんでした。
恥ずかしながら、今回初めて10年以上たって読み終わりました。
少女マンガ、音楽、青少年マンガ、性に関する社会学的分析の本です。
僕は、自分の接しているメディアを徹底的に分析する、そんな本を一生かかっても書けたらいいなとか思ったこともありましたが、それが30代前半の人がこれだけ完成度の高いものを作ってしまってすごいと思いました。
最初は、大量のサブカルチャーの用語と難しい社会学の理論とが出てきて読むのに苦労しましたが、その後宮台さんの発言をきき続けてきて、だいたいこういうことがいいたいのだということがわかってきたので、今回はかなりすんなり読めました。
この本で重要なのは<関係の偶発性>に対する対処として<関係性モデル>「これってあたし」というものが「乙女ちっく」とよばれる少女マンガからうまれ、それが他の分野にひろがりつつ変容をとげていく過程です。
それぞれに鋭い、反論できないほど周到な分析がなされ、読むこと自体が冒険のようでした。
終戦からバブル崩壊まで歴史を追体験したようでした。
僕がひとつ付け加えたいのは、経済との関係です。システム理論では経済決定論的な考え方はとらないのかもしれませんが、僕はどうしても関係があると思っているのです。
アメリカの貿易赤字が深刻化して、日本に内需拡大の圧力をかけてきて日本もそれに応えようとした。ハードの面で公共事業を大規模に行いバブル経済を生み、もう一方ではソフトの面で、日本人の勤勉の美徳から、消費のかっこよさへ、かなり意識的に転換が図られたのではないでしょうか。
フジテレビ的なものセゾン的なものは、そうした日本人の性向を変えるために機能したのではないかというのが僕の見方なのですが、その点についてもきいてみたいと思いました。
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