大田俊寛著『オウム真理教の精神史 ロマン主義・全体主義・原理主義』を読みました。
オウム真理教の事件を、できるだけ客観的に宗教学の立場から分析した本です。
オウムの起源を、ロマン主義、全体主義、原理主義という三つの思想の流れから説明し、それぞれの思想を順番に解説していきます。
非常に分かりやすい分析で、だから少し深みが足りないという気もしますが、全体に過不足なく描かれています。
それぞれの思想のオカルト的な部分が怖いけれども、興味を引きもします。
地下鉄サリン事件は、オウムの最終戦争の序幕にすぎず、大都市に空中から大量のサリンを撒く計画もあったといわれ、恐ろしいなと思いました。
この本は、思想史的な流れとオウム真理教の発展史をよくまとめてあって大変読みやすいものでした。
オウム真理教の事件は、外から見てるだけなら、不謹慎ながらとても面白く、惹きつけられてしまうものです。そこが、危険であるということも自覚しながら読まなければならないとも思います。
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