綿矢りさ原作の映画「インストール」をDVDで見ました。
演出は、やりすぎでしかもカッコよくない。意気込みすぎでしょうか。もうちょっとリアルな演出の方がよかったのではないかと思いましたが、これは監督の判断ですからしょうがないです。
不登校の女子高生と小学生の男の子が、ネットでエロサイトのサクラをやるという話です。
原作は作者が17歳のときに書いた作品です。書かれたのは2000年代ですが、文化としては90年代の空気が残っています。
90年代の女子高生にとっては、「性」にどうのりだすかということが大きなテーマでした。
主人公は17歳で処女であることに劣等感を抱きますが、当時はまだそのような同調圧力が女の子のあいだではあったのです。
男から見れば、むしろ処女の方がいいと思う人の方が多いのではないでしょうか。
そこに作者の、そして同時代のちょっと進んだ娘の自意識が感じられます。
エロにのりだすのがネットの書き込みだったり、小学生の男の子に胸をさわらせたりするのはすこし、気の弱さを感じてしまいました。
良かった点を2つあげると、一つはエロの世界をかいま見ることによって「世の中ってこんなものか」というひとつの諦観にいたり、逆に生きる意欲がわいてくるというところです。
もう一つは、いくらネットで裏の世界を知っても実際には人と触れあいたいという正直な気持ちを述べたところです。ここには、てらいや劣等感をごまかすこともなく率直な気持ちが書かれていてよかったと思います。
この小説を読む女の子にいいたいことは、周りの女の子のあいだでは処女というのはまだ子供という劣等感のもとかもしれないけれども、男から見れば処女の方がいいんだから無理して処女をすてなきゃと思わなくてもいい、ということです。
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