2010年11月19日金曜日

権利


一昨日、首都大学東京での、映画『哲学への権利』の上映会にいってきました。

この映画は同大学の西山雄二先生がビデオカメラを持って、パリの国際哲学コレージュという学校を取材したものです。

夕方雨の中寒くて暗い中、多摩ニュータウンの人工的な華やかなショッピング街を通っていき、大きな講堂に入っていく。この日の上映会は何か夢の中の出来事のようでした。

国際哲学コレージュというのは数年前に亡くなったフランス現代哲学を代表する哲学者ジャック・デリダが作った学校で、学位もなく、授業料もなく、教える側に報酬もないという自由な学校です。そこで、普通の人たちにも哲学を教える。うらやましいような学校です。

そこの学校の先生たちにインタビューしたものをまとめた映画です。上映がPCを使ってなされていたのにもびっくりしました。家庭用ビデオとPCがあれば、今やかなりできのいい映画が撮れてしまうのです。

内容はいかにも、フランスの哲学者らしく色々美しい言葉で哲学を語ります。きいているうちにパリの哲学者たちの雰囲気が伝わってきました。

以前パリに行ったときポンピドゥーセンターの現代美術館でレヴィ=ストロースやフーコーの本が現代美術として飾ってあるのを見てフランスにおける哲学の位置を感じたものでした。彼らにとっては、哲学も芸術のひとつなのだと思いました。

しかし、終わってから大学の先生たちの討論会があって、論理哲学を教えている先生があまりにも紋切り型の哲学観だといっているのをきいて、確かにそうだなと思いました。

しかし、それも含めて面白かったです。

0 件のコメント:

コメントを投稿