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「宮台真司の社会学」
朝日カルチャーセンターの「宮台真司の社会学」宮台真司先生、堀内進之介先生、にいってきました。
近著を元にしていますが、その他に堀内先生が「宮台社会学と現代30年史」という分厚いレジュメを作ってきていて、それを元に話されました。
堀内先生は宮台先生の教え子です。
堀内先生は、宮台先生の思考の方向は、基本的には変わっていないといいます。
それは、バラードのSF『ヴァーミリオン・ンズ』の世界を正当化することだといいます。
『ヴァーミリオン・サンズ』とは、本人が気付かずとも社会がうまくまわっていく社会。
ただ社会に対する見方が変わったといいます。
それに対して僕は、宮台先生の思考はかなり根本から変わったという立場です。
少なくとも、変化に注目する立場です。
宮台先生自身、援交女子高生の第一世代から第二世代に変わったときに、大きな戸惑いを覚えたとおっしゃっていました。
自分が変化することの感動を、援交第一世代に投影しすぎていたのかも知れないともいわれました。
堀内先生は、ご自身は「自立」ということに一番の関心があるといいます。
しかし僕は、かつて僕がTVを見ていた頃、宮台先生が「朝まで生テレビ」に出ていらして、そこで「日本人には自立が足りないと戦後ずっといわれてきたけれど、僕は日本人には自立ができないと思うんです」といわれたのを覚えています。
その頃の宮台先生は、『ヴァーミリオン・サンズ』的な考えをされていたと思うのですが、現在の宮台先生の言動を見ていると、かなり違うと思います。
現在は、民主主義は「参加と包摂」だといい、「自立した共同体」が必要だと説いています。
つまり、かつての方が「自立」に重きをおいていなくて、「システム」を肯定的にとらえていた。それが、だんだんきつくなってきたのがわかります。
そして、天皇制を主張する頃から変わってきた。
ギリシア的「自立」を称揚し、「システム」への依存を戒める態度になってきたと思います。そのころは、まさに吐き捨てるように自分の社会への不満をぶちまけていたように思います。
近年は、より穏やかになってきましたが、基本的には変化後の考えのバリエーションの中で語らえているようにも思います。
宮台先生の思想の「連続性」に照準をあてることも可能だとは思います。が、僕は「断絶」の方に関心がある。というより、強いインパクトを受けました。
以前、この人のいうことを信じようと思っていただけに、変わられて戸惑った覚えがあるからです。
近著を元にしていますが、その他に堀内先生が「宮台社会学と現代30年史」という分厚いレジュメを作ってきていて、それを元に話されました。
堀内先生は宮台先生の教え子です。
堀内先生は、宮台先生の思考の方向は、基本的には変わっていないといいます。
それは、バラードのSF『ヴァーミリオン・ンズ』の世界を正当化することだといいます。
『ヴァーミリオン・サンズ』とは、本人が気付かずとも社会がうまくまわっていく社会。
ただ社会に対する見方が変わったといいます。
それに対して僕は、宮台先生の思考はかなり根本から変わったという立場です。
少なくとも、変化に注目する立場です。
宮台先生自身、援交女子高生の第一世代から第二世代に変わったときに、大きな戸惑いを覚えたとおっしゃっていました。
自分が変化することの感動を、援交第一世代に投影しすぎていたのかも知れないともいわれました。
堀内先生は、ご自身は「自立」ということに一番の関心があるといいます。
しかし僕は、かつて僕がTVを見ていた頃、宮台先生が「朝まで生テレビ」に出ていらして、そこで「日本人には自立が足りないと戦後ずっといわれてきたけれど、僕は日本人には自立ができないと思うんです」といわれたのを覚えています。
その頃の宮台先生は、『ヴァーミリオン・サンズ』的な考えをされていたと思うのですが、現在の宮台先生の言動を見ていると、かなり違うと思います。
現在は、民主主義は「参加と包摂」だといい、「自立した共同体」が必要だと説いています。
つまり、かつての方が「自立」に重きをおいていなくて、「システム」を肯定的にとらえていた。それが、だんだんきつくなってきたのがわかります。
そして、天皇制を主張する頃から変わってきた。
ギリシア的「自立」を称揚し、「システム」への依存を戒める態度になってきたと思います。そのころは、まさに吐き捨てるように自分の社会への不満をぶちまけていたように思います。
近年は、より穏やかになってきましたが、基本的には変化後の考えのバリエーションの中で語らえているようにも思います。
宮台先生の思想の「連続性」に照準をあてることも可能だとは思います。が、僕は「断絶」の方に関心がある。というより、強いインパクトを受けました。
以前、この人のいうことを信じようと思っていただけに、変わられて戸惑った覚えがあるからです。
2014年3月7日金曜日
『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』
宮台真司著『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』を読みました。
著者の過去の講演などをまとめたものです。
現在のグローバル化の進展する中、先進国では、新興国との賃金の切り下げ競争になって中間層が分解していきます。
すると、格差化貧困化の中で鬱屈した人々が、承認や溜飲を求めて反民主主義的な行動にでて、健全な民主主義が機能しなくなります。
この様な中で、正しい民主主義を機能させる為にはどうしたらいいか。
著者は、日本全体でどうにかできる処方箋はない、身近なところから、できることからやっていくしかないといいます。
そのための重要な手談が、ワークショップをくり返した上での住民投票だといいます。
従来からの著者の主張が細かく書かれています。ネットやラジオで著者の発言を追っていっている身からすると、いつもいっていることの繰り返しなので、すんなり頭に入りました。
ここまで理路整然と社会科学の知をふまえて主張されると、そうだろうとしか思えません。
ただ、さらに昔からの熱心な読者である僕は、過去に著者の「共同体の復活はありえない」「人にではなくシステムに負荷を与えるようにしなければならない」という言説に納得して、賛同した記憶があります。
それが現在、「共同体自治が重要だ」「システムの全域化が問題だ」といわれると、どうしても過去のことを思いだしてしまいます。
宮台信奉者であるが故に、過去の宮台さんの言説が撤回された経緯を重く受け止めてしまうのです。
そうすると、現在の主張も、理屈では納得できても、「宮台さんだってあやまることがあるのだから」、絶対視はしない方がいい。どこかで留保して見ていた方がいいという気にもなってしまいます。
この本を読む人には、まず著者のいうことを正確に理解してほしいと思います。
その上で、絶対視せずに留保しながら、賛成できることから協力していってほしいと思います。
著者の過去の講演などをまとめたものです。
現在のグローバル化の進展する中、先進国では、新興国との賃金の切り下げ競争になって中間層が分解していきます。
すると、格差化貧困化の中で鬱屈した人々が、承認や溜飲を求めて反民主主義的な行動にでて、健全な民主主義が機能しなくなります。
この様な中で、正しい民主主義を機能させる為にはどうしたらいいか。
著者は、日本全体でどうにかできる処方箋はない、身近なところから、できることからやっていくしかないといいます。
そのための重要な手談が、ワークショップをくり返した上での住民投票だといいます。
従来からの著者の主張が細かく書かれています。ネットやラジオで著者の発言を追っていっている身からすると、いつもいっていることの繰り返しなので、すんなり頭に入りました。
ここまで理路整然と社会科学の知をふまえて主張されると、そうだろうとしか思えません。
ただ、さらに昔からの熱心な読者である僕は、過去に著者の「共同体の復活はありえない」「人にではなくシステムに負荷を与えるようにしなければならない」という言説に納得して、賛同した記憶があります。
それが現在、「共同体自治が重要だ」「システムの全域化が問題だ」といわれると、どうしても過去のことを思いだしてしまいます。
宮台信奉者であるが故に、過去の宮台さんの言説が撤回された経緯を重く受け止めてしまうのです。
そうすると、現在の主張も、理屈では納得できても、「宮台さんだってあやまることがあるのだから」、絶対視はしない方がいい。どこかで留保して見ていた方がいいという気にもなってしまいます。
この本を読む人には、まず著者のいうことを正確に理解してほしいと思います。
その上で、絶対視せずに留保しながら、賛成できることから協力していってほしいと思います。
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