2012年6月29日金曜日

うる星

押井守監督「うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー」をDVDで見ました。

サブカルチャーの上で重要な作品だったので、いつか見ようと思っていました。

「永遠に終わらない学園祭の前日」というテーマだといわれていましたが、見たところ「夢と現実」というテーマが大きいのだと思いました。

僕が想像していたのとはちょっと違いました。

永遠に日常に戯れているところから、現実に無理矢理引き戻される話を想像していました。

「うる星やつら」自体、漫画でちょっと読んだことがある程度でよく知らなかったので、すこし最初はわかりづらいところもありました。

思っていたのとは、ちょっと違いましたが、これはこれで楽しめました。
しかし、今見るとすこし古い映画という感じもしました。

ここからどのようなメッセージを受け取るべきかは、考えてしまいます。
「終わりなき日常」が「核戦争後の共同性」の上に続いている心象風景が、この時代、「虚構の時代の果て」を象徴しているということでしょうか。

2012年6月28日木曜日

財政


2009/8/16 政権交代直前の僕のブログより。

小泉首相が誕生したとき、国民の9割が小泉支持でした。ある調査によると、共産党支持者の中でさえ小泉支持がありました。その中で私は、国民の9割が支持するのはおかしい、怖い。とはっきり言っていました。そして、鳩山氏率いる民主党を逆風の中支持し続けてきました。
ですから、これをたんなる為にする議論とどうか思わないで下さい。
現状では民主党が支持率で優位にたっていて、鳩山内閣ができる可能性が高くなってきました。民主党員は期待と希望をもって政治活動を行われていることでしょう。
しかし、だからこそどうしても言っておきたいことがあるのです。今からじゃ遅いかもしれませんが、まだ公示前なので、何とか伝えたい。万が一この無名の学生の書いたブログが鳩山さんに伝わればと祈りつつ、私の意見を述べたいと思います。
私の意見は、もう言い尽くされたことの反復にすぎません。すなわち財源の問題です。
鳩山さんは、「消費税増税の議論さえするべきではない」といわれました。
しかし、それはどうなんでしょう。私は、そのいいか方に、二つの点で異議があります。
まず第一に、民主制では、議論によって政治を行うのが大原則です。ましてや、膨大な借金を抱えている日本の税制については、多いに議論すべきではないでしょうか?
財源についてきかれると、「じゃあ自民党はどうなんだ」と切り返すのも、民主の意見を表明するのを避けているような感じをあたえてしまいます。
民主党の立場は、家計を助けることで消費を喚起し景気を上昇させること。
官僚と政治家との癒着体質を改めることで、税金の無駄遣いをなくし、そこから財源を得ること、だと理解しています。
私は成蹊大学経済学部をほぼ一年で行かなくなってしまって、しばらくひきこもり、ニートでした。
現在は大学にいってますが、専攻はデザインです。ですから、政治経済については全くの素人同然なので言ってることが正しいかどうかの確信もありません。しかし、民主制では、だれでも、意見を言っていいはずです。全ての人が、法学部や経済学部を出ているわけではないので、当然素人の意見も沢山あるはずで、それも許容するのが民主党の立場だと認識しているので、無知な私も意見を言わせてもらいます。
まず日本の国家予算が70〜80兆、借金が700兆〜800兆。収入の10倍の借金があるわけです。
年収の10倍の借金があるうちが借金を返すために、省エネをこころがけて、こまめに電気を消しましょう、といったら滑稽だと思いませんか?国家予算の2割を減らしたとしても(その為にはサービスもかなりカットしなければならない)それでも、借金の2%にしかなりません。
また、自民党政権が長年にわたり大規模な財政出動をして、景気対策をしてきたにもかかわらず、(金融危機のせいもありましょうが)いっこうに景気が良くなりません。それが、子供支援に数万円もらっただけで、景気を好転させられるでしょうか?
今、民主党に追い風が吹いているせいで、その点が曖昧にされてしまっているような気がするのです。
無駄遣いをなくすことも、子育て支援をすることも悪い事だとは思いません。ただ、それだけで景気が良くなるとはとても思えないのです。政敵ですが麻生総理大臣の「財源は?」という疑問は当然の疑問だと思います。
政権交代が必要なことは全く賛成です。しかし、それはスタートラインに立つことであって勝負はその先です。
かつて細川元首相は自民党の感情的な執拗な攻撃にあい、佐川急便から塀を直すお金を借りただけで、証人喚問されました。そして、不正処理の疑いがあると言う理由で(結果的には合法)退陣されました。
鳩山政権ができれば、自民党の感情的な反発は必至です。そのときに、本当に景気が回復できなければ、自民党をよろこばすだけでなく、国民からも見放される可能性も少なくありません。
あるいは、村山元首相のようにかつて消費税反対を唱えつつ、結局自ら消費税を増税するという醜態をさらすことだって絶対ないとは言えません。そうすれば世論はすぐに変わります。マスコミは健忘症だというこうはしっかり、理解して欲しいと思います。細川政権も小泉政権も発足時に大人気だったのが、最後にはバッシングの的でした。
人気がある今だからこそ、はっきり言っておきたいのです。
このブログを自民党支持者が見て、「なるほど」と、私の言ったような攻撃をしてくるかもしれません。そういうリスクをかけてもどうしても言いたい。
財源についての真剣な議論をして欲しい。しかも、政権を取るのですから空理空論では通じません。実効性があるかどうかを問われます。
とにかく、この不景気、大赤字で行き詰まっているからこそ、政権交代を国民は望んでいるんです。
ところが、いくらきれいごとを言っても実際に豊かさを実感できなければ批判されてしまうのが世論です。
世論はちょっとした風向きですぐに変わります。首相になって、約束したことが出来なければ世論が180度、変わることは十分あり得ることです。もう自民党のせいにはできません。そのことがどうしても、頭に浮かんできてしまうのです。
日本はバブル崩壊後、大変なジレンマに陥りました。
景気を支える為に財政出動すれば、財政赤字は増えます。
財政赤字を減らす為に緊縮財政をすれば、景気が悪くなる。
このジレンマを解消することは実は大変難しいことです。
歴代総理がころころ変わるのも、もう指す手がなかったという事情もあるのではないでしょうか。
小泉元首相は、小さな政府にすることで解決しようとしましたが、世界金融危機の影響もあり、また切り捨てられた弱者を民主が取り込み、みごと自民党をぶっ壊してくれたのですが、それをいい事に民主が甘い言葉ばかりを吐けば、その時は支持を得られるかもしませんが、いざ政権をとった時に財政出動しなければ、景気はよくならない、すれば公約違反になってしまい野党から総攻撃される、また、税を上げないと言っておきながら財政健全化のためにはどこかで税を取らなければならない。ところが選挙中に税金を上げないと約束してしまえば、自らの手を縛ることになってしまいます。
「増税に反対してきたのに、いまさら、税金をあげられないよ」という人もいるかもしれません。
しかし、藤井最高顧問が大蔵大臣になったとき、何か忘れましたが、ある政策を口にしてすぐに撤回したことがありますが、朝令暮改と揶揄されましたが、私はよかったと思いました。政策を変えるなら、できるだけ早く伝えるべきだと思ったからです。そうすれば、混乱が最小限ですむからです。
いまさら、消費税を上げるというのはさすがに言えないと思いますが、是非財源について真剣な議論をし下さい。
国民に痛みがあってもやらなければならないことはあるのですから。いまの民主を見てるとどうしてもきれいごとに聞こえてしまうのです。そうなると、現実に政権についたときに大変苦しい立場に立たされます。
選挙前だからこそ、今言っておかないとと思って書きました。今、変えるならゆるされるが、選挙後、変えれば公約違反になってしまい「そんなことは大したことじゃない」という小泉さんと同じことになってしまいます。
しかし、先ほどのジレンマを解消するのは容易ではありません。しかし、やらなければならない問題です。
まず無駄遣いを省き、癒着をなくすことは極めて重要でしかも難しい問題です。しかし、それだけでは不十分だということです。
景気と財政赤字の問題は、政権交代後に待ったなしで直面する問題です。いま、税金を上げないことを宣言すれば自分の手足を縛ることになってしまいます。ある程度は手足を縛ることは必要でも、現実に景気悪化、赤字国債の発行ということが続けば、政権への評価は急落します。
だから、今はまだ選挙告示前、投票前だから、今ならまだ間に合うと思って書きました。
現在のジレンマを解消するにはどうしたらいいのか?
財政出動すれば赤字が増える。
財政出動しなければ、景気が悪くなる。
何もしなければ、景気が悪くなるし、借金の利子がどんどんたまっていく。
こうなると何かをしなければならない。ですから、何らかの財政出動は必要だと思います。しかし、その場合は本当に将来の経済の成長に有効かどうかを厳密に公正に判断する必要があります。すると、今度は判断する材料が必要となります。そのためには、ヴィジョン、国家ヴィジョンが必要となります。どんな国にしたいのか「美しい国」とか「人に優しい国」とか抽象的なものも必要ですが、もっと具体的なものも必要です。そうすればただ金を出すだけでなく、関連法案も出すことができ、より「実効性」のある
政策がとれるでしょう。
米国オバマ大統領が、太陽熱発電の開発にお金をかけるとか、核なき世界を目指すとか、ヴィジョンを示せば、それが合理的なものであれば必ず支持してくれる人はいると思います。
ですから、財政、景気の問題をよく議論して「財源」を空理空論ではなく「実効性のある」政策として示して欲しいというのが私がいいたいことです。

2012年6月20日水曜日

細田守監督のアニメ映画「時をかける少女」をDVDで見ました。
青春時代の芸の細かい描写ですが、昔の青春ものとちょっと違う、現代性を良きも悪しきも感じました。
まず、女の子と男の子二人の友情というのも珍しいと感じました。

主人公が恋する男の子も不良っぽい子で、女の脚本では格好いい男のイメージはこういうのが多いなと思いました。

僕自身、おとなしい子だったので、こういう主人公にあまり感情移入できませんでした。

主人公を取り巻く人間模様も、少し昔に比べて希薄な感じもしました。

しかし、最後へのストーリーのテンポのいい展開は引きつけられました。
現代の若者の気持ちには、よく沿った映画だと思います。

よくできているのですが、ちょっと感情移入ができないところもありました。

2012年6月19日火曜日

トマス

稲垣良典著『トマス・アクィナス『神学大全』』を読みました。

中世の哲学書を読もうと思って、『神学大全』を読もうと思ったら、日本語訳で45冊あるということであきらめました。

そして、この入門書を読みました。
元々は「神について」「人間について」「キリストについて」という三部からなり、2669個の問答からなっているそうです。

この入門書では、神、ペルソナ、創造、悪、幸福、などについて本書の内容にそって解説してあります。

中世のキリスト教神学の本を現代に当てはめると、かなり強引な解釈も必要になってきますが、納得はできました。

現代とは全く違う価値観の中で真理について書かれてある書を読むことは、意味のあることだと思いました。

2012年6月18日月曜日

2012年6月17日日曜日

洗濯機

洗濯機が壊れたので、洗濯機を見にヨドバシカメラまでいきました。

2012年6月16日土曜日

アバター

ジェームズ・キャメロン監督作品「アバター」をDVDで観ました。
ある惑星で、人間が開発をすすめ、惑星の原住民と戦うとう物語です。
主人公は、人間が開発した原住民の体に神経を接続させ、その体にのりうつり原住民を説得する作戦に参加します。
ところが原住民の中に入っていくと、逆に人間の横暴さがわかり、原住民の側にたって戦います。
アメリカの開拓時代の原住民に対する残酷さを連想させますが、これをアメリカ映画が撮ったというのもアメリカ人の懐の深さを感じさせます。
しかし、青い猫人間のような原住民に感情移入するのには、ちょっと気味が悪い感じも感じさせます。
原住民の聖なる木の表現も美しいのですが、われわれ日本人は「ナウシカ」や「もののけ姫」の表現の方が美しいとも感じます。
結局、最後は戦いのシーンで終わるというのも、アメリカ映画の定番という感じもします。
大変面白かったですが、現在、歴代興行収入世界一位という映画としては注文をつけたい部分もありました。

2012年6月15日金曜日

現代人

渡邊二郎著『現代人のための哲学』を読みました。
哲学を単に、過去の人の研究ととらえず、そこから僕たち生き方に役立つような要素を取り出して議論するという立場です。
現代人のおかれている苦しさを直視して、その中でこの弱い存在である僕たちがどう生きるかを丁寧に解説しています。
苦しい現実を認め、その中で実存的に生きるということを勧めています。
僕たちの悩みが、実は普遍性を持つということを知らしめてくれて、それに立ち向かう方向性を示してくれた本だと思いました。

2012年6月10日日曜日

親鸞

吉本隆明著『最後の親鸞』を読みました。
かなり昔に書かれた、吉本の親鸞論を集めたものです。
むかし、表紙を見て左翼の人も仏教者を論じるのかと思ったものです。
今回、読んでみて、左翼でありつつもこれだけ親鸞に肉薄しながら、自分の一線を超えないで、自らは不信者だという立場から論じ続ける姿勢に感心しました。
三木清も最晩年に親鸞に言及しています。
それだけ、親鸞という人の深さを知ることができました。
それというのも、やはり吉本という巨大な解説者が伴走してくれたからでしょう。

2012年6月9日土曜日

2012年6月8日金曜日

自己

渡邊二郎著『自己を見つめる』を読みました。
大学を中途退学した僕は、勉強するのに放送大学とカルチャーセンターを使っていました。
放送大学における渡邊先生の講座には、感銘を受けるものが多かったです。
「本書において、語りかけたいと思っている読者は、優しく敏感で、傷つきやすい、心豊かな人、慰めもなく、苦しみながら、しかし立派に生きる務めを果たそうとしている人である。」という態度に感動を覚えました。
この本では、人生の苦しさについて多く書かれています。しかし、希望も書かれています。
苦しみにある中でも、生きていこうとする人に向けた本だと思いました。

2012年6月7日木曜日

中国

溝口雄三、池田知久、小島毅著『中国思想史』を読みました。

中国へ行くので買ったのですが、行ってからだいぶたった今読み終わりました。
中国思想をいくつかの画期に分けて紹介されていて、理解しやすかったです。

儒教を中心とした中国思想が、ある程度分りました。

2012年6月6日水曜日

転校生

永井均著『転校生とブラックジャック-独在性をめぐるセミナー』を読みました。

ずいぶん昔に買ったのですが、難しくて途中まで読んでそのままでした。
その後、カルチャーセンターでこの本を読む講座があったので何回か出席して、何となくイメージができたので、今回読み切ることが出来ました。
先生と生徒の対論形式で書かれた本です。
独在性についてそれぞれの生徒が意見を言うのですが、僕はE君の考え=自分がただ一人Eであることの奇跡が重要だという意見、に賛成です。
永井さんも、この考えなのかなと思っていたのですが、みんなにそう思われるがちょっと違うという様なことが書かれてありました。
哲学を単なる教養として読む人には向いていない書物でしょう。一緒に考えていって、そのことに喜びを感じる人には、まさに適切な書だと思います。

2012年6月5日火曜日

ハッカーズ

スティーブン・レビー著『ハッカーズ』を読みました。
ハッカーというと、コンピュータネットワーク内で不正な行為をする人というイメージがありますが、実際は初期のコンピューターで新しいコードを書いていったりした自由なエリート集団ということがわかります。
新しい文化を創っているという気概があり、プログラムは解放されていなければいけないという理想主義者達でもあります。
それが次第に商業主義におかされていって、消滅していく様を描いています。
しかし、最近のソーシャルネットワークの隆盛を見ると、新たなハッカー文化が生まれてきているのかなという気もします。

2012年6月3日日曜日