2011年12月31日土曜日

情報

西垣通『こころの情報学』を読みました。

情報の定義から、機械のこころ、動物のこころ、人間のこころと丁寧に分かり易く、最新の学問の成果を取り入れつつ説明されていてたいへん面白かったですが、最後のまとめがしりつぼみな感じでした。

最後にサイバーなこころでは、インターネットを多言語にする話になってしまって、本来の情報とは何か、現在情報とどのように付き合っていけばいいのかという問題がとんでしまったような感じで残念でした。

しかし、全体としては学ぶことが多い本でした。

2011年12月30日金曜日

2011年12月29日木曜日

指導

大学院の指導に先生のおうちにうかがってきました。

ピザとパエリアをいただきました。

2011年12月28日水曜日

メディア史

佐藤卓己『現代メディア史』を読みました。

メディアについて調べているので、現代以前から知りたいと思っていましたが、19世紀頃できたメディアでほとんど現在の社会は説明できるということがわかりました。

グーテンベルグが活版印刷を発明しても、読む人は限られていたといいます。

この本は、様々なメディアの歴史を、日本、アメリカ、イギリス、ドイツとそれぞれ追っていきます。他の国も知りたいとも思いましたが、これだけでも随分いろいろなことを知ることができました。

マスメディアを国民国家統一の為に使ったの敗戦国だけでなく、戦勝国も同じように使っていたことがわかりました。

他の国もあつかったテキストとともに読むと有益だと思います。

2011年12月27日火曜日

リヴァイアサン

ホッブス『リヴァイアサン』全4冊を読みました。

宗教改革の時代、ローマ教会の権力からいかに君主制を守るかを描いた本です。

教皇の権力は否定するのですが、キリスト教そのものは認めるので、聖書に基づいて教皇批判と君主の正統性を主張します。

その複雑な論理は彼の情熱を感じさせます。

しかし、ここまで国王を力強く弁護するのも面白いと思いました。
教科書に出てくる本ですが、実際に読んでみ、なるほどこんな本だったのかと納得させられます。

2011年12月26日月曜日

愚民社会

宮台真司、大塚英志著『愚民社会』を読みました。

これは、大衆を嗤う本ではないです。
お二方とも日本人がいかに「近代人」になれるかをテーマにしつつ、それに絶望している書です。
宮台氏は、「引き受ける社会へ」とスローガンを掲げますが、べき論では変わらないという認識をもっています。ですから、世田谷区で実績を積んでいこうという戦略のようです。

大塚氏は、近代人になるために、学生に憲法前文を書かせたりして、カリキュラムによって人は変わるという可能性に賭けているようです。

宮台氏が震災前後に日本社会は終わったといって、原発関係者などを採り上げ、日本の非近代性を浮き彫りにするのに対して、大塚氏は震災で高揚している人々に、今まで近代をサボタージュしていたのに今更なんだ、と冷や水を浴びせます。

宮台氏のあえていう「天皇」に対し、大塚氏はあえていう「憲法9条」。
一見対極的ですが、目指すものは日本人の「近代化」という点で重なるように見えました。

2011年12月23日金曜日

2011年12月22日木曜日

歯医者

歯医者にいったら、虫歯がまた見つかってまたいくことになりました。

2011年12月21日水曜日

2011年12月20日火曜日

メディア

橋元良明『メディアと日本人-変わりゆく日常』を読みました。

大学院の課題のために読みました。1995年から2010年までの統計調査をもとに、メディアが人びとの心理にどういう影響を与えたのかをまとめた本です。

メディアの悪影響は、分析してみると文脈自体で大きく変わることが分かりました。
しかし、乳幼児がずっと受動的にテレビを見続けることが脳の発達に悪影響をもたらすという報告もあると知って興味を引かれました。

インターネットのやり過ぎで、社交性がなくなるというのも条件次第だと分かりました。
現在のネットの進化を、統計的に社会心理学的に知るにはよい本だと思いました。

2011年12月19日月曜日

2011年12月18日日曜日

2011年12月17日土曜日

2011年12月16日金曜日

2011年12月13日火曜日

2011年12月10日土曜日

ラピュタ

宮崎駿監督「天空の城ラピュタ」のテレビ放映でラスト近くの滅びのことば「バルス」を唱えるシーンでツイッター史上最高のツイートが同時になされました。

僕はTVは見ないで、ニコニコ動画の一緒に映画を見ようという番組を後から見たのですが、そこでも、同時に書き込みが殺到したようです。

最近ではTVもネットも一人で見るようになってきたと思っていたのですが、ツイッターやニコ動を見ていると、多くの人と一緒に見ている感覚になります。

技術が進んで、TV視聴も個人化するかと思っていましたが、さらに技術が進むと別のかたちでTVを共有できるようになるのだと、少しTVの見方が変わりました。
 東浩紀さんの『一般意思2.0』とも少しつながるかもしれません。

2011年12月9日金曜日

2011年12月6日火曜日

2011年11月30日水曜日

秒速

新海誠監督の「秒速5センチメートル」をネットで見ました。

「秒速5センチメートル」とは桜の花びらが落ちるスピード。はじめ桜の花びらが散るシーンから始まります。

中学生の男女の恋。東京から栃木までいくシーンを丹念に描いています。
それから、第二話は、種子島の高校生の女の子の片想いの物語。
これらを精密な描写で感傷的に描いていきます。

前作の「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」は日本の日常の描写とSF的な設定が絶妙のコントラストで描かれていました。面白いのだけれど今ひとつ浸りきることができない面もありましたが、今回はSF的要素がないので、純粋に物語に浸ることができました。

最後の第三話で、僕は気付いてなかったのですが、実は全部つながっているストーリーだということがわかります。

思春期の感傷的な世界から、大人になってそれらを振り返る切ない気持ちが伝わってきて、こちらもセンチメンタルな気持ちになって、とても感動しました。

2011年11月29日火曜日

新海誠監督の「雲のむこう、約束の場所」をネット動画で見ました。

きわめて細かくリアルな背景描写で、日本の日常とSF的な世界を同時に描いています。

どちらもリアルなので、対照的で強い印象が残ります。

田舎の学校の世界でのささやかな恋愛模様が、世界大の戦争と直接つながります。
物語の展開も、スリリングで引き込まれます。

ただ、宮崎駿さんの作品と比べると、どこかクールで計算された感じがして、今ひとつノスタルジーに浸りきれません。

しかし、とても面白かったです。

2011年11月28日月曜日

社会科学

猪口孝『社会科学入門 知的武装のすすめ』を読みました。
社会科学全般について、大まかな知識を得ることが出来ます。

基本的な方法論なので、これを読んでいかに勉強するかでしょう。

2011年11月26日土曜日

科学

今日カルチャーセンターで「《対談》汎科学論-「3.11」後の知-」講師、評論家の柄谷行人先生。朝日新聞編集委員の尾関章先生。にいってきました。

原子力の問題を科学と思想の問題として扱うのかと思いましたが、柄谷先生の現在の思想を語るようなかたちになっていました。

デモに参加されたわけですが、デモは古い、現在はITがあるじゃないかというが、外国では今でもデモをやっている。
モンテスキューによると代議制は寡頭制であるという。だから直接的なものも必要、デモはその一つにすぎない。

柄谷先生は、温暖化とうい問題設定に反対していて、もっと深い問題だといいます。

柄谷先生は、カントの倫理を掲げているが、カントの倫理とは、因果関係を括弧に入れること。
カントのアンチノミーでは、人間に自由があるかと問う。
自由がなければ責任は伴わない。自分に自由であれという命令があってはじめて責任が生じる。
括弧に入れることと、外すことが大事。

などなど柄谷先生が関心のあることを並べて述べられていて、あまり秩序だった対談ではありませんでしたが、結局資本主義からアソシエーションへという道筋を描いていらっしゃって、いずれ資本主義は限界がきて終わるといわれました。

オーソドックスな左翼思想でしたが、現在でも左翼思想を真っ正面から擁護するのは時代に合ってないという見方もあるでしょう。また、ここまで貫いてきたのはある意味偉いという見方もできるかもしれません。

2011年11月25日金曜日

2011年11月15日火曜日

Mac


Macの調子がおかしいのでサポートサービスに電話して直しました。

2011年11月12日土曜日

社会思想


今日はカルチャーセンター「社会思想ゼミ 市民社会の批判的・歴史的検討」宮台真司先生、堀内進之介先生。に行ってきました。

まず堀内先生が、市民社会といつもいわれるが実現するのかと疑問を提示します。

宮台先生。べき論で変わるとは思っていない。システムを変えることが重要だ。
基本的に「いいことをすると儲かる仕組み」が必要だ。

堀内先生。外国に行くと本当に競争社会でしんどいと思う。しかし、日本は空気に縛られる。両義的だがどちらかを選べといわれれば欧米型を選ぶ。

その後、現在の日本のダメさ加減をいいつのります。

宮台先生。TPP。リカードの比較優位説を持ち出す経済学者がいるが、それは平時のときで失業者がゼロのときのはなし。TPPを実行すればアメリカから安い農産物が大量に入ってきて、価格の下方圧力がが起こる。しかし将来不安があるので消費にはまわらずデフレになる。すると購買力平価説にしたがって円高になり、5%の関税なんか吹っ飛んでしまう。

また日本でソーシャルビジネスをはじめると「金に目がくらんだのか」といわれてしまう。

堀内先生。官庁が公募を出す。はじめから決まった企業にヒアリングをさせる。そして10日ぐらいで閉め切ってしまう。事実上他の企業は手を出せない。
自分は妻がアメリカ人なので子どもには英語教育しかさせていない。日本はダメになるだろうから逃げる準備はできている。

と、いろいろ日本のダメさ加減を語って、結局エリートが自立してダメな民衆を導いていくしかないという結論になりました。

宮台先生の意見は複数のメディアでいつも聞いているので、一貫しています。だから、すでに聞いたはなしも多かったです。
これだけ理路整然と説明されると、反論の余地もなさそうで納得してしまいますが、僕の意見をいわせてもらうと「確かに日本はダメだが、全部が全部ダメなんだろうか」というものです。
決して現状を肯定しようとは思いませんが、僕のような人間でも何とか最低限の文化的生活を送れているし。アメリカにも欧州にも新興国にも途上国にもそれぞれ、日本にはない大きな欠点があるのではないか。ダメなところの全くない(そんなことはいってませんでしたが)国も時代もないのではないか。
もちろん価値観によってどこがよくどこが悪いというのは違いますが、日本にも良い点もあって、変革はそれを失う面もあると思います。

両先生方もそれは否定してないと思いますが、良い点も意識して議論をしてもいいのではないでしょうか。