2012年12月13日木曜日

『暇と退屈の倫理学』

國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』を読みました。

初め奇妙なタイトルの本だと思いましたが、考えてみれば「退屈」とは、現代社会においては重要な問題だと思いました。

「退屈」とは何かを、哲学的、社会学的、人類学的に突き詰めて考えていきます。
しかし、決して難しくならずに、僕たち素人でも読める文章で書かれています。

ハイデッガーは、「退屈」を3種類に分けました。
第一は、やることがない退屈。
第二は、やることがあるのに退屈と感じてしまうこと。
第三は、なんとなく退屈だという声が聴こえてしまうこと。
そして第三の退屈を最も重要だとして、そこに人間の自由があり、その中で決断をすることが重要だと考えました。

しかし、國分さんはそれに異を唱え、人間だけが動物と違って環境にとらわれない自由があるという考え方に反対します。

そして、第三の退屈も結局は第一の退屈と繋がっていると考えます。そして、第二の退屈こそがわれわれ人間が付き合っていかなければならない退屈だとします。

20世紀最大の哲学者を向こうにまわして、自分の論を理路整然と繰り広げるのはすごいなと思いました。

著者の説明は説得力があって、なかなか反論できません。
ただ、ハイデッガーの退屈論にも、もう少し深みがあるのではないかという気もします。

しかし、この本は自分の長年の悩みを解決するために書いたといわれていますが、現代人にとっては。飢餓や戦争よりも「退屈」こそが重要な問題だというのは、意味深い問題提起だと思いました。

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