2013年3月2日土曜日

ウィトゲンシュタイン

『はじめての言語ゲーム』橋爪大三郎
『ウィトゲンシュタインはこう考えた 哲学的思考の全軌跡 1912-1951』鬼界彰夫
『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』野矢茂樹

を読みました。

『はじめての〜』は、極々初心者用に書かれた本で、ウィトゲンシュタインの思想を誰にでも理解できる形で書いています。
ただ、簡単すぎて、これを読んでも『論理哲学論考』を読むことはできません。
また、話が広がりすぎて、本居宣長まででてきてしまいます。まとまりに欠ける部分があります。
文字通りはじめての人にはお勧めです。

『〜こう考えた』は、原稿の元になった手記までにさかのぼって、一つひとつの命題を分析していきます。
一応初心者にも読めるように書かれてあるので、なんとか理解することはできましたが、あまりに抽象的なので、覚えてはおけませんでした。

『〜を読む』は、『論理哲学論考』を細かく分析して素人でも分る、といっても難しいですが、ように書かれています。
独自の喩えなどで説明されています。
最後に『論考』を離れて、「草稿」にまで遡り、『論考』の主題を「意志により彩られた世界」としての世界だといいます。
「意志」とは、哲学で重要な概念ですが、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版: Q」にでてきた反ネルフ組織、ヴィレ(WILLE)の意味がまさに「意志」です。
そして、『論考』のメッセージとは、「草稿」にある、「幸福に生きよ!」であるといいます。
兄弟が次々と自殺して、自分の生も危ういウィトゲンシュタイン。彼が最後にだした結論だからこそ感動的です。

これらを読んで、ウィトゲンシュタインを読む準備が整いました。

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