2020年1月15日水曜日

「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」 TOHOシネマズ新宿 3D+MX4D

今日は雨の中、新宿のTOHOシネマズ新宿にいって、12:40〜の「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」の3D+MX4Dを見てきました。

チケットを買って、近くの天下一品でラーメンを食べてから見ました。

メガネをかけて、立体に見えたり、イスが動いたり、風が吹き付けたりしました。

昨日眠れず今日早く起きたので、見ている間、眠くて眠くてしょうがなかったです。

イスが動いて目が覚めたりしました。

内容は、以前G.ルーカスを外してから、「普通の映画」になってしまった、と思ったことがありましたが、その感を強くしました。

まず、ストーリーで何が目的なのかよく分からない。

「ブレードランナー」の新作を見たときと似た感想を持ちました。

カリスマ的作品の続編ということで、作る側が気合は入っているのは分かるのですが、映像的に綺麗なものを作ることに集中して、ストーリーが凝りすぎて空回りしているような感じがしました。

とにかく映像はかっこいいです。

ストーリーもそれなりに惹きつけるものはあります。

でもルーカスが持っている、独特のセンスが見られない。

ルーカスの映画って単純といえば単純なんですが、独自の世界観があるのです。

ストーリーもルーカス時代の方が単純です。でも、深い。

例えば、NHKの教育TVで見たのですが、「スター・ウォーズ」の物語は、神話学者ジョセフ・キャンベルの影響があるそうです。

そうスター・ウォーズは一つの神話なのです。

僕も、世界中のスター・ウォーズファンも、そこに得も言われぬ魅力を感じていたと思うのです。

1968年、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」が公開されました。
これは、SF映画の頂点ともいえる作品ですが、公開当初は難解で理解されませんでした。
同時期に公開された「猿の惑星」の方が分かりやすくて好評でした。

しかし、時間がたつにつれ「2001年〜」は、映画史に残る名作となりました。
ルーカスも「2001年〜」と「スター・ウォーズ」を比べるとしたら、特殊効果で比べるしかないが「2001年〜」の方が優れている、と発言しています。

「2001年〜」以降、もうこの作品は超えることはできないだろうと皆が思ったと思います。

そして、その後の10年間は「SFは死んだ」といわれました。

そんな中77年に、ルーカスの「スター・ウォーズ」、スピルバーグの「未知との遭遇」が現れて、大げさではなく、映画の歴史を変えました。

「2001年〜」を見た人が、次に作るSFとして何を思い浮かべるでしょうか。
まさか、お姫様がでてきて、悪の皇帝、親衛隊長、老騎士、若い英雄なんかの物語がくるとは、誰も思わないでしょう。

その、誰もが考えない、幼稚過ぎて話にならないものを、臆面もなく作るところがすごいと思うのです。

実際、シナリオはいくつかの制作会社に断られています。

さらに、特殊視覚効果を見せ場にする。

もともと視覚効果というのは、実際に撮影できないけれど、どうしても撮りたいときに使うものだったようです。

ところが「スター・ウォーズ」は「メイキング・オブ・スター・ウォーズ」という映像を撮っていることからも、視覚効果自体を売りにしています。

これも発想の転換です。「スター・ウォーズ」以降、特殊視覚効果を使った作品ばかり作られてヒットしていますが、これも全部「スター・ウォーズ」が作った流れといってもいいでしょう。それ以前は、繰り返しますが「SFは死んだ」といわれていたのです。

こういう、映画史の文脈を見るとやはり「スター・ウォーズ」の特別さが分かるはずです。

キャラクターで商売をし始めたのも「スター・ウォーズ」ですし、ディズニーランドでディズニーに買収される前に、ディズニー作品でもないのに「スター・ツアーズ」というアトラクションになったのも「スター・ウォーズ」の特別なところです。

このように、僕は「スター・ウォーズ」は「普通の映画」ではないと思っています。

それが、予定されていた全9作の最終話が、まあ面白いけれど「普通の映画」になってしまった、という感じがしました。

映像はかっこいいのだけれども、キャラクターがあまり魅力的だとは思えない。
ストーリーも、神話の域まではいっていない。

期待値が高すぎるからなのですが、今ひとつ感動しきれないという感じでした。

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