2010年12月21日火曜日

共同幻想論


今日はカルチャーセンターで「吉本隆明『共同幻想論』を読みなおす」4回目最終回で、講師は高澤秀次先生でした。

吉本は、対幻想論で当時としては先進的にフロイトを取り上げ、原始群族の「父祖」を共同で殺した息子たちが家族を作ったと考えた。
そして、共同体と家族が分離したとき自己幻想が登場したと考えた。

ヘーゲルに倣い兄弟と姉妹の関係を永続する対幻想と考えた。

古事記における、イザナギとイザナミの国生みの場面は共同幻想と対幻想が同致していると考えた。

アマテラス(姉)とスサノオ(弟)の関係。アマテラスが宗教的な権力の象徴であり、スサノオが農耕社会の象徴であると考えた。

ヤマトタケルの時代はもはや神権優位のなくなった現世的な政治支配者の父と子の葛藤。

最後に作家の中上健次は、角川文庫版解説で、この本と三島由紀夫の自殺が歴史的な事件だとして、この本が文学を死滅させたと記している。

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