2010年8月28日土曜日

クール


『日本的想像力の未来〜クール・ジャパノロジーの可能性』という本を読みました。

内外の日本研究者による、現在の日本のポップカルチャーに関するシンポジウムを書籍化したものです。

もともと、日本語でも使われるようになった「クール」という言葉は、黒人のジャズの「ホット」と「クール」からきていることを知りました。

経産省が日本の輸出産業振興のためにカッコいい日本という意味で「クール・ジャパン」というキャッチフレーズを作ったことが議論になりました。

そこで、今世界でヒットしている日本のマンガやアニメを日本研究から分析しようという意図だったと思われますが、議論は段々これは、日本に特異な現象ではなく、ポストモダン化した時代に適応した文化なのではないかという話になってきます。

確かに、日本固有のと考えるのも面白いのですが、もっと普遍的な現象としてとらえると分りやすい。経産省のお役人が作った「クール・ジャパン」なんて概念自体が押し付けがましく感じられます。

そして、議論の最後には本のタイトルに反して日本のポップカルチャーは「クール・ジャパノロジー」に対抗する文化であるべきだという主張に収斂していきました。

たいへん面白い議論でした。

今後は世界でどのように日本のポップカルチャーが受け入れられているのかの具体的な状況を知りたいと思いました。

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