2012年7月9日月曜日

アウグスティヌス

中世の哲学を読もうと思って、聖アウグスティヌスの『告白』を読みました。

初めに、神への賛美が繰り返されていて、ずいぶん単純な人なのかと思って読んでいったら違いました。

アウグスティヌスは、もともとはズバ抜けて頭のいい放蕩息子で、若い頃は女性関係でも奔放でした。

母親は敬虔なカトリックであったのですが、本人はマニ教にひかれたりして自由に生きてきました。

しかし、親友の死などをきっかけに段々回心していきます。その心の過程を神に告白するのが上巻です。その悩みと救いの物語には感動するものがあります。

そして、カトリックに改宗して「時間」の問題などを掘り下げているのが下巻です。
そこでは、様々な考察が行われるのですが、最後には神にすべてをゆだねる。

現代ではこういうことはあまりないのかもしれませんが、キリスト教の強力な中世には、偉い哲学者もこう考えていたのだなと思いました。

違う時代のものですが、感動させられる書物でした。

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