宮崎吾朗監督作品「コクリコ坂から」のDVDを見ました。
以前、劇場でも見たのですがラストシーンを忘れてしまいもう一度見ようと思いました。
この映画のテーマといば、学園もの、ラブストーリー、ノスタルジー、インセスト、親を亡くした子どもの寂しさ、などでしょう。
同じ学園ラブストーリーの「耳をすませば」と比べると、「耳すま」の方がクリーンで透き通るような感じがして、「コクリコ」の方が中身が濃い感じがしました。
ノスタルジーの部分で、昭和の生活感を出した演出の細かさはさすがですが、学園紛争を思わせる部分は、一体どんなイデオロギーで学生らが動いているのかが不明瞭で、ただ学生運動の雰囲気だけを出している感じがしました。あまり政治色を出したくないのかもしれませんが、見ている方はなんでこんなに熱く運動しているのかが見えにくかったです。
インセスト(近親相姦)の部分も、テーマになっていますが最後は間違いだったというオチはあっさりしすぎてる感じもしました。
正直に言うと、昭和のノスタルジーの部分も、思ったほど懐かしさに浸れなかった。一つひとつの道具や場面は昭和なのだけれど、現在にあってもそうおかしくはない。もうすこし、ノスタルジーに浸れるようにしてほしいというのは贅沢でしょうか。
人間関係もジブリ作品らしく、みんないい人すぎて、現実感が損なわれている面もあるという気もしました。しかし、それこそがジブリ作品を安心して見られる理由でもあるので仕方ないでしょう。
全体としての感想は、それぞれの要素はよく出来ている、でも全体としてはもっと感情移入できる作品にできる余地があるのではないか。欲をいえば。
でも作品としては世界観、ストーリー、演出、キャラクターの魅力それぞれはよくできていると思います。
主人公がいい子すぎて、共感しづらい面もあったかもしれません。絵の動きも他のジブリ作品と比べると少しぎこちない部分もありました。
好きだからこそ、もう少し頑張って欲しい部分があって複雑な気持ちです。
2012年7月23日月曜日
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