2012年7月17日火曜日

庵野秀明他監督の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」をDVDで見ました。

近未来でロボットにのり、正体不明の敵と戦わされる中学生の男の子の葛藤を描いた大ヒットアニメの新劇場版です。

TVシリーズ当時から、社会現象とまでいわれた話題作で、僕は当時はかなり入れこんで見ていました。TV版の最後は、気持ちはわかるがそれでは解決は難しいだろうと考えていましたら、旧劇場版でかなり人間の精神の深いところまで描かれていて、すごいしよくやったと思いました。

しかし、私の感嘆した旧劇場版は、時代の中で生まれたもので、1990年代という、古い共同体が解体していきグローバリゼーションがすすむ中、人々の不安と共振して出来たものだと思います。それは監督、庵野秀明さんの心理ともシンクロしていたのであれだけの迫力のある、ある意味で病的な世界を描けたのだとも思います。

そこで、今回の新劇場版は、その病気の部分を和らげて、テクニックとして徹底して面白いものをつくり直そうという試みだったのではないでしょうか。ですから、この作品は優れているのだが、もはや社会的事件ではないといわれるのでしょう。

僕はエンターテイメントとして徹底していくのかなと思ったのですが、TV版のストーリーをなぞっていて、あまり新しい感じはしなかったです。
アスカがでてくるのかと思ったら出てこなかったり、ちょっとかつてのように感情移入しまくりで、その世界観に浸りきりという感じではなかったです。

僕の方の感性が鈍ったからかもしれませんが、ちょっと以前より客観的に見てしまいました。映像の力はすごいものがあり、そこは質が上がっていると思いましたが、物語の方ではそんなに新しいものが出てきた感じがありませんでした。

年をとってから見るとシンジ君も自分とは思えず、大変だねこの子はという感じで見てしまいました。

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