2010年5月14日金曜日

ふぞろい


TSUTAYAの宅配サービスに入って、何を見ようかと思ったのですが、今まで再放送で断片的にしか見ていなかった往年の名作「ふぞろいの林檎たち」を始めから見ようと思いました。
僕も大学を中途退学していて学歴のコンプレックスがあるのですが、80年代という時代。あたかも皆がいい大学いって、素敵な恋愛をしているかのように喧伝されていた時代に、そこからあぶれた者に温かい視線を送った胸にキュンとくる作品です。
山田太一さんは早稲田の教育学部を出ているので、父親というよりも先生的な愛情が感じられます。先生にとってはどんなに勉強ができない子、容姿が悪い子でもかわいいのだという感じを受けます。逆に頭や容姿が悪い子ほど、その子の立場にたって胸が痛むのではないでしょうか。
だからといって、若者を理想化したり、大人を悪者にしたりはしない。大人の苦しみをも知るが故の慈愛が感じられます。今、このように弱いものを突き放しつつ愛する脚本家がいるでしょうか?
野島伸司さんなどには、完全に若者を理想化して大人を悪者にする傾向を感じてしまいます。
突き放しつつ、形式化しつつ内面の繊細なところを描く。このような才能が出てくるのをのぞみたいものです。

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