2010年1月8日金曜日

経験


財務省に限らないが、官庁にはそれぞれの慣習や細かい規則があり、それらは本当に正しいものなのかは外部の者からではよくわからないものもある。藤井前大臣は大蔵官僚だったので、そのへんはよく知り尽くしていたので安心できた。

菅財務大臣の場合は大きな政策では、松下圭一の洗練された理論の最大の理解者として安心しているが、財務省の細かい業務についてなれてないと、ちょっとしたミスでも「知らないのかー」とバカにされてしまう。

そこで、藤井元大臣は身体は使えないが、まだ政権の役立ちたいといっているので、ぜひ本当の意味での「相談役」になって欲しい。アドバイスをするぐらいなら、多少からだが悪くてもできるだろうし、本人も望むところだと思う。「こうしようと思うのだけれども財務省の体質からいってどう反応するか?」一度きいてから行えば安心。

役所に限らないが、組織というのは古くからの「ならわし」があって、それを知らない新参者を排除する傾向がある。ちょっとした間違えを大きく非難することもある。

ドバイショックで円高になった時、あたかも政府が何か責任があるかのようなおかしな報道をして企業が困っていると主張してきたマスコミが、大臣が一言、円安の方が望ましいといって円が下がったら、これも何か悪いことをしているように報じる。こういう支離滅裂なマスコミはどうでもいいが、財務大臣として気をつけるべきところは経験者に謙虚にアドバイスを受けることをお勧めしたい。せっかく最高の相談役がお役に立ちたいとおっしゃっているんだから。

「汝自らの無知を知れ」で、どうどうと「私は財務省一年生なので皆さんの良きアドバイスをいただいてお互いに、国民に誇れるよき行政をしていきましょう」という謙虚な気持ちをもってそれを正直に言った方が組織の中では信頼されるのではないだろうか。もちろん一方では最終的な責任は全て自分でとるという腹をくくったうえでのことであることはいうまでもないが。無理して知ったかぶりして後で叩かれて損をすることのマイナスを考えればこのように謙虚さも持つところではそれを示す勇気も、よき指導者の条件の一つだと思う。

「民主党プレス 224号」で京セラの稲盛名誉会長がいわれている。

「人格、人間性ができている人は、良心が常に働いていて、物事を考える場合に、常に『人間としていいか悪いか』という判断基準で判断します。そういう人が人格者です。『あの人はいい人だ』と人々にも言われます。・・・そういう人は非常に公平で、公正で、そして謙虚さを持っておられます。同時にやさしいおもいやりの心を持っています。」

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