2010年1月5日火曜日

辞任


与党幹事長の虚偽記載がまた問題になっているが、報告義務違反なら正しく報告し直せばいいだけの話だが、利権が絡んでいるとなると何らかの責任はとるべきだろう。

しかし、今まで政治家の責任については本当に妥当だったのかと疑問に思うことも多い。

例えば、前原代表が辞任したのも当時の永田議員が自民党の武部幹事長とライブドアの堀江社長との金銭問題を追及したが、その元がウソだったからだ。

法律に詳しくない人のために、基本的なことを言う。犯罪の場合、「故意」「過失」に別れる。「故意」とは、犯罪と知っていてわざとやった場合。「過失」とは、犯罪とは知らなかったが、当然とるべき注意義務をせずに結果違法なことをした場合。偽メール問題は、あきらかに「過失」なわけだから、悪いことは悪いが、代表が辞任する筋合いのものだろうかと疑問に思った。その前の菅代表の年金未納も事務方のミスなので、辞任するほどの大きな悪なのだろうかと思った。

もちろん民主党も自民党の疑惑を何度も追求してきたのだから、自分たちだけ追求を免れるのはアンフェアだと思う。だから、事実は明らかにして責任はとるべきだということはハッキリいっておく。

しかし、思うのは利権構造に絡むようなものと、単なる過失によるミスを一緒くたにされる場合がある。そのとき、決定権を持つのがマスコミの作り出す「イメージ」だ。政敵がイメージダウンを狙ってマスコミに情報をリークすることもあると思う。

そのマスコミだが、本当に信用できるのかという問題である。昔、私がテレビを見ていたころ、あるニュースショーの司会者が先ほどの件で、菅代表に「やめるのは当然だ」といっていた。しかし、どういう論拠なのかは全くいわず国民がこれだけ騒いでいるからという。しかし、騒がせているのはマスコミであって、マスコミがそういうスキャンダルをおもしろおかしく伝えて視聴率を稼ごうとしてるから、国民が騒いでいるように見えるのだ。本当にこれは、利権にかかわることなのか、それとも、よく考えればそれほど代表に責任は問えないのではないか、それを十分吟味した上で進退問題を語るべきだと思うが、それをしたのかは大いに疑問だった。

同司会者は森内閣の支持率が10%を切った時に当時の自民党の亀井議員に「どうして、森さんはこんなに支持率が低いのか」ときいた、亀井氏は「そりゃ、毎日毎日テレビや新聞や週刊誌で森さんの悪口ばっかりいっていたら支持率は落ちるのはあたりまえだ」といった。するとその司会者は「政権の批判をするのがマスコミの仕事だ。政権の悪口を言わなくなったマスコミは終わりだよ」とすごいけんまくでいった。

さて、森内閣が辞任して小泉内閣が誕生した。支持率は90%を超えた。先ほどの言からいうと森首相の10倍の悪口を言わなければならなくなる。私は小泉内閣誕生当初から不支持だったが、まわりはすごい小泉フィーバー。小泉首相のポスターは盗まれるは、写真集は出るはの大騒ぎ。世論調査によると、共産党支持者の中でも小泉内閣を支持する人たちも何割かいた。さて、そこでその司会者にここでこそ小泉首相の批判を堂々といってもらえると期待していたら、彼曰く「私は小泉支持だもん」。

マスコミに倫理を要求するのは肉屋で野菜を買うようなものかもしれないが、ここまで堂々と大嘘をつく人間が、政治家にどの口を持って辞めろと言えるのか?彼の言に従えば彼は「終わった」はずだが、最近本屋なんかで見るとまだマスコミ活動をしているようである。彼が何かの賞までもらったという話を聞いたことがある。

つまり、全てのマスコミがここまで最低な人間だとはいわないが、こいつに近いような人もいることは事実だ。

だから、政治家の責任を考える時にマスコミの「騒ぎかた」を基準にすることは避けなければならない。こいつのような人間の言葉に従ったら間違った判断をしてしまう可能性があるから。

冷静に何がどれだけ責任に値するのかを自分の頭で考えないといけない。そうでないとこの司会者のような醜態をさらすことにもなりかねない。

政治家についてはまず「李下に冠を正さず」で疑惑をもたれるようなことはしない。これを、守ってもらいたい。仮に無実が証明されても、このような政治の本題とは関係ないところで時間を使うのは時間がもったいない。与党になれば政敵はこちらの疑惑を必死になって探してくるのは火を見るより明らかだろう。

しかし、疑いがあるのならば検察は調べなければならず、マスコミは報道するだろう。そして中身よりも「悪いイメージがついたから」辞任なんてことになれば、自らの理想を実現できなくなってしまうではないか。調査には素直に協力して、謝るべきところは謝って、その上で理想を実現する努力をして欲しい。

「イメージ」をしのぐほどの「実績」で国民からの信頼を取り戻して欲しい。

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