2013年2月13日水曜日

『大学論』

大塚英志著『大学論 いかに教え、いかに学ぶか』を読みました。

評論家で、まんが原作者の著者が神戸の美大でまんがを教えた様子を描いたエッセイです。

まんがを教えるのですから、普通の大学の授業とは随分違います。

一年からハードなカリキュラムで学生たちが泣きながらついてくる様子を描いていて、感動的ですらあります。

著者自身は、筑波大学で民俗学を習って、そこで恩師の千葉徳爾先生からいかに学んだか、また千葉先生が柳田國男からいかに学んだかが書かれています。

この本にでてくるように、はっきりとした目的を持って大学にきて、それに答えて厳しくても教えてくれる先生がいるというのは、ある意味幸福なことだと思いました。

「まんがを教える」という特殊な内容だからこそできた授業かもしれません。

僕も美大出身なのですが、うちの学校はどちらかといえば放任主義、自由にやらせるという校風でした。
それはそれで、本人のやる気次第でいいものを作ってくる人も多くいて、悪いことではないと思います。
僕は劣等生で、いつも悩んで何もいいものはできませんでしたが、この自由な雰囲気は好きでした。

この本とは、対極にあるようですが、それぞれ学校の個性があってもいいと思います。
芸術系の学科は、自由にしてのびる人もいるし、厳しくやった方がのびる人もいると思うので。

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