2009年12月24日木曜日

自助


景気が悪い。税収が落ち込む。財政が悪い。国債を発行。
これらのことは大きな問題で、なんとか手を打たなければならないのですが、私は国民や財界人の方々にいいたい。

まず、財政赤字や不景気はバブル崩壊にまで遡ります。
皆さんはバブルの恩恵を受けなかったでしょうか。
私のうちはバブル時代に別荘を買い、ゴルフ場の会員権を買いました。そのゴルフ場は、安易に造った「豪勢」な建物で、広いロビー、庭にはプールがありました。
従業員はきれいな制服を着ていても、現場慣れしてない不器用な急ごしらえのホテルマンの若者でした。
私は「何にもしてないのにこんな贅沢をしていいのかしら」「いつかつけを払わなければならないのではないか」と一面では思って、この急ごしらえの「豪華」なホテルに泊まりましたが、恐らく今はそのホテルはないでしょう。

実態価格以上の価格で土地が取引されたのがバブルでしたから、実態にもどれば浮いていたお金は、借金になります。

不良債権処理に税金を投入するなという声もありましたが私は「バブル時代にあれだけ贅沢をしたのだからそのツケを我々国民も負うべきなのではないか」と思いました。
その後約20年、不景気と財政赤字は一向に改善されません。もちろんリーマンショックという外的要因もありますが、これもアメリカ版バブルですが、自民党時代、景気対策にあらゆる取り組みをしても、うまくいきませんでした。
一つは政官業の癒着体質があって、資金が効率的に配分できなかった。
これは、政権交代で少しは改善されてきたと思います。
しかし家計を潤すことで消費を喚起するという民主党の政策は欠点があると思います。家計を消費にまわすには福祉政策を充実させ、将来への不安を払拭しなければなりません。
しかし国や地方の財政は大赤字。国債は税収以上に発行し続ける。当然それは将来利子つきで我々が負担しなければならない借金です。
ちなみに私が(日本に限らないかもしれませんが)メディアに不満なのは、税金については大きく扱うのに、それにくらべ国債の発行については扱いがたいへん小さいということです。
実はどちらも国民の負担なのに、今払うのは厳しく感じるけれども、将来の話になるとあまり実感がわかないので読者の関心を得にくいからかもしれませんが、専門的にいえば国債の発行は税に劣らず重要な問題だということは当然のことです。ですから、読者にただなびくのではなく地味だけれども重要な問題はちゃんととりあげて欲しい。少なくとも、そういうメディアがあって欲しいとおもいます。
今回、95兆の要求に対し92兆に圧縮できたことはよかったし、国債も44兆に抑えられたことはよかったと思いますが、どちらも絶対値でいえば史上最高。財政の健全化には遠く及びません。しかし、財政を健全化させるためには、どこかで誰かが負担をしなければなりません。金持ちからとるべきだという人もいるかもしれませんが、大企業の負担を増やせば企業は工場を海外へ移転させてしまって、多くの労働者が職を失うことになるでしょう。グローバル化した経済では生き残っていくためにはそうしなければならない。そうしないと企業が倒産してもっと多くの人が職を失う。だからそう簡単に法人税を上げることもできないのです。

そこで、私を含め国民のみなさんや企業は「景気が悪いから政府よなんとかしてくれ」という発想を変えてもらいたいと思います。政府のやれることは限られているし嘗てのような高い成長は見込めません。なんとか景気対策費を捻出してもそれは借金です。いつか利子つきで我々が払わなければならないのです。

だからこれからは、景気が悪いなら自分たちの工夫で新しい事業を発展させていこうと、その上で最低必要な部分は政府にたすけてもらう。このように考えていくようにすることが現実的だと思うのです。
もちろん政府は景気回復に全力を尽くすべきですが、われわれ国民もそろそろ、親離れをして、困ったら政府だよりにするのではなく、お父さんも大借金を抱えてるんだから自分で工夫して稼ごうというふうに頭を切り替えることが必要だと思います。

かくいう私も恥ずかしながら今だに親の世話になっています。しかしなんとか頑張って自分で稼げるようになって親に恩返しをしようとも思っています。私が偉そうにいえる立場にはないのですが、これは国全体にもあてはまることなのでいわせてもらいました。

一方では現在はそのような考え方が以前よりも発展してきたという感じもします。NPOを自ら立ち上げ社会に貢献しようという人も格段に増えてきてますし、企業も企業努力で環境対策の技術を開発して社会に貢献すると同時に、新しいビジネスチャンスにしようという努力も強く感じます。

私はそういう意味では日本人のまじめさをそうとう信頼しています。

政府にいうべきことはいう。でも、自助努力するべきところはして、何でも政府の責任にしない。ただ、自助に必要な援助は求めても当然だと思います。そのように我々国民の発想も変えなければせっかくの政権交代もその効果が減ってしまうと思うのです。

私の高校時代の校長先生がいつもいっていた言葉です。

「天はみずからたすくる者をたすく」

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