2009年10月15日木曜日

経済

現在の経済について私の思っていることを書こうと思う。
私の家は私の従弟まで、男で私以外は全員、慶応義塾に行ってた家系である。父方も祖父から叔父従弟で男で慶応行ってないのは私だけ、母方は曾祖父が祖父方も祖母方も福沢諭吉の直弟子で、祖父も叔父も男の従弟も皆、慶応に行っていた。途中でやめて日本大学に行った人が一人いるが途中までは慶応に行ってた。その中で両祖父母の長男と長女の長男が私である。うちははじめ女の子が生まれ7年後に生まれたのも女の子さらに7経ってついに待望の跡継ぎの男の子が生まれたのが私である。うちは、一つの大きな土地に父方の親戚が5世帯家を構える特殊な家で、逗子に行った叔父の家族を除く全員が同じ住所に住んでいるという、非常に濃い共同体の中で育った。
父方の祖父は、栃木から出てきて慶応に入り長男(私の父)に慶応の血筋を引く嫁をとらせ、何もかも慶応でうまくいったと思っただろう。私は上述のように両親が年を取ってから生まれたので、(逗子の従弟を除いて)跡取りにもかかわらず最年少だった。祖父は大変かわいがってくれて当然、慶応へ行くものと誰もが思っていたところ、こいつが突然変異的バカで慶応に入ることがどうしてもできなかった。祖父もさぞ落胆しただろうが、死ぬまでイヤミ一つ言われなかった、立派な人だった。小学校(幼稚舎)で落ちて、中学も高校も私の偏差値はだいたい55ぐらい、60代に入ったらすごいというレベルだった。慶応に入るには70はないといけないので受かる可能性はないので受けることもしなかった。大学は2浪目に湘南藤沢キャンパスができて偏差値だけじゃなく個性を問われるのでもしかしてと思って受けたが落ちた。
一時はかなりなやんだが、あるとき「自分は頭が悪いから落ちたんであって、それ以上でもそれ以下でもないんじゃないか」と思ったら、楽になった。環境のせいもあるが自分がひとかどの人間じゃないといけないと思うから苦しむ、でも私の行った公立の学校では、高校にも行けない子もいる。そんなに自分を卑下するのは、そういう子にも失礼かもしれない。
こういうと負け惜しみに聞こえるかもしれないけど、私は公立の小学校に行ってよかったと本気で思ってる。毎日、夕方の鐘が鳴っても野球やってたり、近くの川でザリガニとったり、私は小学校時代を自分で「珠玉の時代」と名付けている。もし、慶応に入っていたら、近所に友達はいないからこういう経験をしないで育っただろう。おじいちゃまには申し訳ないが、この時代が私の価値観を形成したといっても過言ではない。ともだちは、近所の魚屋やお風呂屋さん、有名な企業の社長の息子もいて、いろんな人がいた。家では慶応、女は聖心というお坊ちゃま、お嬢様教育を受けた人ばかり。両方の世界を知って育ったということは、私の思想形成には決定的な影響を与えた。同時に心理的には極めて不安定な状態であり今もそうである。
あるとき友達が「オレの夢は『市場(商店の集まった建物)』をデカくして、駐車場を作って」と聞いたとき「あ〜こういう価値観もあるんだ」としみじみ思った。
まあ、こういう家なので、(ちなみに聖心は母のいた頃は一学年一クラス。小学校から大学まで(母は高卒だが)同じ人と過ごす)(慶応の幼稚舎は6年間クラス替えがない)「共通一次」が何かを知らなかった。前述の日大に行った従弟以外で大学受験をした人がいとこ(私を含め父方母方合わせて13人)が誰もいなかった。
私は、大学を受けるとき「社会」がどうなっているのかが知りたい、と思って「政治学科」か(バブル当時でもあったので経済学者が社会を語っていた時代)「経済学科」に行きたいと思った。ずばり「社会学」という学問もあるが、なんかちょっとアカデミズムからするとうさんくさい感じがして敬遠してた。後に振り返ると、半分は外れてるが半分は当たっていたと思う。何故、こんな話を延々とするかというと、慶応は経済学部がフラッグシップで母は私を経済学部に入れたがった。(他の学校のことは全く知らないから)一般には東大でも法学部が偉いという序列があるが、実学を重んじる慶応では経済学部が偉かった。そこで、少しもめた思い出があるのだが、結局、慶応には入れず成蹊大学の法学部政治学科と経済学部経済学科を受けて経済学部にたまたま入った。それより偏差値10ぐらい下の和光大学とかも落ちたので、全くの幸運(私にとって)。願書に親の年収を書く欄があって、いやらしいなとおもったが、もしかしてそれを見て合格にしたのではと疑ったぐらい。
私にはあってる学校かと思ったが結局、不適応をおこし行けなくなってしまう。1990年っていうと90年代って思うかもしれないけど、文化的にはまだ80年代を引きずってて、一番ハデな広告研究会に入り、自分では嫌悪してたギョーカイ人になろうと無理をしていた。TV局に入ってドラマを作りたいと思っていた。80年代に急成長した局の、人を小馬鹿にした笑いが嫌いで別の局に入ってその局を潰すのが夢だった。TV局に入ってもギョーカイ人にだけはなりたくないと思っていたが、どこかで憧れていたアンビバレントな感情だったのかもしれない。
それはともかく。私は「経済」という言葉に一つのコンプレックスがある。経済学部に入れたのに1年ちょっとでやめてしまった。少しだけ勉強はしたので、マルクス経済学と近代経済学があって、近代経済学の中にマクロ経済学とミクロ経済学があって、ミクロ経済学は市場で価格がいかに決定されるかを分析する。というぐらいは覚えたが、細かい専門用語とかはわかるのとわからないのがある。だから、難しい経済用語を並べてしゃべる人を見ると引け目を感じてしまう。「あ〜わかんないや〜」。あるいは、聞きかじった経済用語をあたかも知ってるかのように使ったりしてかっこつけたりしてしまう。
父はずっと日経を読んでて。退職してからは、昼間はイチロー、松井かNIKKEI C NBC を見てる。しかし、よくよく見てると株が上がるかどうかなんてあまりにもいろんなファクターがあるので予想できないだろうと思うようになった。それをよく、株は(もしくは経済全体は)こうなる!と断言する人がいるが、私の考え方では来年の株価を予想するのは来年のイチローの打率を予想するようなものだから、絶対こうなるという人がいたらそいつだけは信じるな、といいたい。せいぜい、おおよそこうなるとか、こうなる可能性が高いとしかいえないと思う。株の番組で細かな経済用語を使って解説している人は、弁舌鮮やかな競馬の予想屋のようにうさんくさく感じられてきた。ある程度は説明も理があるがそれ以上細かいこといったって、急に戦争でも起こってがらっと変わるかもしれないし、ある程度しかいえないんだからそこまで細かいこといってもしょうがないじゃないか。なんか、知ったかぶってるスノビズムでしゃべってるように聞こえることもある。
しかし、経済が重要なことは間違いない。景気を良くすること自体は、左右を問わず賛成するだろう。やり方や考え方は違うが。
そこで私が今の経済について考えていることを言おうと思う。前置きが長くなったが。
経済学部1年いっただけで、証券スノッブほどの知識もない無知が偉そうにいうなと思われる方もいるかもしれないが。正しいかどうかは、専門家の判断を仰ぐとして、素人ながらあまり他の人がいわないことで、思うことがあるので言わせてもらう。言うのは自由だから。
先ず第一に日本は大借金を抱えているということを前提に話を進めなければならない。私が成蹊大学に入ったら、おもしろい授業があってクェートという小さな国を研究するものだった。先生は元朝日の記者で「クェート石油に浮かぶ国」とかいう本を書いていた。そしたら、直後湾岸戦争が始まった。クェートというのは石油がたくさん出るので国が国民にお金を配っているらしい。世の中にはそういう国もあるのだとびっくりした。だから、フセインも欲しがったのだろう。
しかし、日本にはそのような天然資源はない。サービスを受けるためには誰かが負担をしなければならない。
http://web.me.com/shunichisuzuki/suzukishunichi/Blog/エントリー/2009/8/16_鳩山由紀夫_1.html
私は選挙前に、前にこそそれを強調した。つまり「高負担高福祉」「中負担中福祉」「低負担低福祉」しかありえない。「低負担高福祉」を言う政党は信じないというのが私のポリシーだからだ。わたしは、民主党サポーターだから民主党を鳩山政権を応援したい、しかし、いやだからこそいいたい、負担の部分をはっきりと言うべきだと。言いたくはないが小泉首相は痛みを伴うとハッキリ言った。私は彼は好きではないが、公平に見ればそれは評価すべきだと考える。
私は、今の民主党の勢いから言えば多少厳しいことを言っても、選挙に勝てるんじゃないかと思うのだ。甘いことを言うと、一方では支持されても、他方では「無責任なこといてるな」と思われ支持を失う。厳しいことを言えば、一方では支持を失うが、他方では「こいつは真剣に考えてるし、正直だ」と支持する人も出てくる。だから、アメを出せば必ずしも支持率が上がるわけではないと思う。郵政選挙の時も、対立候補を何人も出すという大変な損な選択をしながらも、その一途さに皆流されて自民党は圧勝した。だから、あまり小賢しいことで票を取ろうとするより正直にいってそれで信頼される方が政治家としては上等だと思う。
選挙前に甘いこといって当選したら、現実は厳しいのでと前言を翻すほど醜いことはない。だからこそ選挙前に厳しいことをちゃんと言ってほしかった。案の定、国債を出さざるを得ないわけで、そんなことも本当にわからなかったという人がいたら、バカかウソつきだと思う。
選挙前に一言でもいっておけば、イヤな言葉だがアリバイがあるので公約違反にはならない。もうすこし、積極的に言えば「賢明」で「正直」だということができる。繰り返すが、多少国民に厳しいことを言っても私はそれで選挙に負けるとは限らないと思う。わたしは、中身がしっかりしていれば将来景気が良くなるんなら多少の苦しみも我慢できると思う。
今度、ちょうど参議院選挙があるので是非、負担の部分もいってもらいたい。
しかし、私のようなどこの馬の骨とも知らない奴のblogごときで偉そうな事を言うと逆に反発されてしまうかな。
ここまでは、小学生でもわかる足し算の問題だが。お金がないものを、天然資源のない日本なんだから、お金が出てくるはずもない。次はどうやって、お金を生み出すかという事だが。
まず、どうすれば株が上がるかを考えてみよう。株を買う人が増えればいいのだが。どうすれば増えるか。株を買う人は何を考えているか。彼らは「どこに投資をすれば儲かるか」という事を考えているわけだ。そうすると、多くの人が株を買ってくれれば株は上がる。株が上がれば企業は設備投資もでき雇用も生まれる。では、彼らに株を買わせるためにはどうしたらいいか。答えは「われわれは、この分野に力を入れますよ。従ってこの分野は将来伸びますよ」というメッセージを市場に送る事である。つまり総花的に、あれもちょっとやります、これも気をつけますじゃダメで、他の事を削ってでもこれをやります。というはっきりした方向を示す事が重要だと言っていいだろう。お金が余ってるならともかく、お金がないんだから、八方美人はダメだと思う。それだと、投資家がどこに投資していいのかわからないし、どうせ少しはお金だすけど将来性はわからない、となると怖くて株を買えない。だから、現在するべき事は「これだ」というものを絞ること。しかもそれは、何でもいいのではなく歴史的視点から見て将来必ず伸びるという理由のある投資でなければならない。みんなが投資しても10年後やっぱり必要ありませんでした、では株は下がってしまう。そうすると「これだ」と言った政治家への信頼も下がってしまう。オバマ大統領のグリーンニューディールもこのことを十分ふまえて行き先を明確に示したものでしょう。実際太陽光エネルギー自体はまだ実用性は低いと思うがリベラルな人にも受け入れやすいようにそこはクリーンなイメージで環境問題にお金をかけると市場にメッセージを送ったのでしょう。ですから、投資家は株を買うことが出来るのだと思う。実際太陽光エネルギーはそんなには儲からない分野だと思うが「こっちだ」とハッキリ指を指したので投資できる。太陽光はそんなには儲からなくても、将来必要にはなってくるから無駄ではない。しかし、民主党を愛するがために敢てきびしい事をいわせてもらうと、どうしても総花的で「これ」ってものがない気がする。だから、投資家も迷ってしまって株をなかなか買えない。「投資家」というのは社会学でいう理念型で、現実の具体的な誰かではない。彼らは、極端なことを言えば、商売相手が北朝鮮だっていいのだ、とにかくそっちに政府は本気で力を入れてるなとわかれば、何を買えばいいかがわかるから。
つくづく偉そうで申し訳ないが、別に偉ぶるためとか民主党が憎いとかいうわけで言っている訳ではない事をご理解いただきたい。あまり、こういう指摘がないような気がしたのでどうしても言っておきたいのでいったのでご理解いただきたい。
では、どこに絞るべきという問題だがもちろん私よりずっと頭のいいブレーンの方々に考えてもらいたいのだが、私の狭い見識の中で考えていることはある。ただ、これは謙遜じゃなくて本当に実行する場合には、専門家の意見をきいてからでないと危険なので、あくまでも思いついた事だが、今更と思われるかもしれないがそれは、IT特に「通信」である。詳しい事を書く余裕がないのでこちらを参照いただきたいが
http://shunichisuzuki.blogspot.com/2009/10/gui.html
単純に言うと、これからのコンピュータはネットがなければ始まらないということだ。そのために必要不可欠なのが、通信網の充実なのだ。今でも日本はたいへん通信分野でも進んでいるのだがこれからもさらに必要な分野である事は間違いないから重要なのだ。
例えば、首相が「私の任期の4年間のあいだに日本国内の人口99%の地域で100Mbpsの無線ネットワークを整備して誰もがどこでも高速ネットに安価にアクセスできるようにする」と宣言されれば次の日にIT特にネット、クラウド関係の株は恐らく上がるでしょう。これは有効な例だと思う。さらにインターネットを使いやすくする手段として医師や弁護士にインターネットに共通のフォーマットで登録する事を義務づける。そうすると、国民は全員インターネットを見れば近くの医師や弁護士を見つけることが出来る。など副次的なサービスも頭をしぼってみればお金はほとんどかからずに便利なサービスを提供できることは沢山あるはず。
以上が、私がいいたかった事です。別の場所でも言っているので重複になっていたらすみません。ちょうど総理も副総理も理工系なので野党とディベートしても負けないんじゃないでしょうか。

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