2009年11月14日土曜日

日米首脳会談


昨日の日米首脳会談に対して色々な評価があるが、私の考えでは、ある程度評価したい。
ただし、私が民主党のサポーターなのでひいき目で見ているかもしれないことは断っておく。

私は、日米に限らず他国との外交関係は「強い信頼を元にして、言うべきことをお互いに言い合い、最後には双方の利益が最大になる結論を出す」ことが理想だと思っている。

だから、今回の会談は先ず、双方の信頼関係を確立し、対等な立場だということを確認するだけでも十分意味があると思う。
具体策が先送りだと批判する人もいるが、信頼関係、対等な関係以前に具体策で衝突するよりも、信頼関係を確認した上で、具体論に入った方が順番としてはいいのではないか。その方がより国益にかなう結論が出る確率が高いのではないかと思う。

普天間基地移転問題が遅れることを危惧する人もいるが、しかし米側の主張をただちに実行すればマニフェストに反することになる。普天間問題の早期解決を主張する人は、基地の県外移設がマニフェストに書いてあったので民主党に投票した沖縄県民に何とえばいいのか、お考えをお聞きしたい。

民主制は国民が政治家を選ぶ、そのことによって国民主権が担保される。そのためには政治家は選挙前にいった約束を守らなければならない。つまり、マニフェストを実行するかどうかはその政策が妥当かどうか以前に民主制の根本なのだ。
普天間基地問題という複雑な問題をアメリカ様のご機嫌を損ねないように早期に履行すべきだと主張する人は、そのことによってマニフェストが破られることについてどう考えるのかをお聞きしたい。「そんなことは大した問題ではない」とでもいうのだろうか。

対立が少しでもあったらいけないということはない。もしそうなら、対等な関係とはいえない。首相には解決が難しい問題であることはしっかり認識してもらいたいが、例えアメリカのご機嫌を損ねることがあってもマニフェストを尊重しようと心に留めていた態度であったのであれば沖縄県民に対しては、真摯な態度だとうつるだろう。

もちろん、私も県外移設は無理だと思う。でも、あくまでもマニフェストにこだわることは民主制の中では必要なことなのだ。

例えば、現在の予算の無駄の見直し作業でも「一番の無駄は民主党のマニフェストだ」と皮肉をいいたくなる人もいるかもしれない。
私はそれでも、マニフェストは常に念頭に置いて政治を実行してもらいたいと思っている。
程度にもよるが、仮にそれが国益を多少損ねても。なぜなら、民主制を日本に定着させるということが、より大きな視点で見た場合この国の利益になるからである。
民主制は、国民が政治を決める。国民全員が政治学者ではない、多くの人は難しい金融政策なんてわからないで当然である。そのような素人が政治を決定するのだから間違いもある。もし間違いがあれば政権交代ができるようにしておく、これが民主制の考え方だと思う。そのための多少の失敗はわれわれが、民主制を学ぶ授業料だと私は思う。ダメだと思えば次に別の政党に投票すればいいのだから民主党は民主党のポリシーを守っていってもらいたい。すくなくとも、その努力はしてもらいたい。

その上で、今度は民主党にいいたいことなのだが、まず私が民主党のマニフェストを見て思ったのは、本当に脱官僚ができるのか?本当に無駄な予算を削ればマニフェスト書かれてある政策を実現できるのか?アフガンの給油を止めることが出来るのか?子供手当や高速道路無料化で家計を潤し、景気回復ができるのか?これらは、メチャクチャ難しい問題で大いに疑問だった。blogでも、その心配は書いた。
結果、史上最大の概算要求、史上最大の国債発行。だったらはじめから無理な約束はするな!といいたい。もし可能だと考えていたなら無能だし。無理だと考えていたなら詐欺だ。
しかし、不格好に見えても少しでもマニフェストに近づけようとする努力は悪い事だとは思わない。しかし、実現不可能なことをマニフェストに書いておいて「非常に難しい」などと人ごとのように言うのは無責任きわまりない。

私が、今までの民主党政権を見て思うのは、「マニフェストを実現しようと努力していることは認める。しかし、あまりにも実現困難な理想を掲げて実現できなければ、それは他でもない民主党自身の責任だ」

それらのことを、全てふまえて是非してほしいことは、
次期参議院選挙では
1、先ず、自らのマニフェストが実現できなかった部分を認め反省していることを示してもらいたい。以前の政権ではだいたい、実現できなかったことは無視して、実績ばかりを誇る人が多かったが、逆に自分たちの非を認めることでマニフェストを重視していたことを証明できる。そして、実現可能なものに改正してもらいたい。
2、実現不可能な政策はマニフェストに書かない。これは、実際に政権を持った経験上わかるはずだ。もしまた選挙のときにだけ甘いことを並べたら自民党政権とどこが違うのかわからなくなってしまう。
3、国民に「負担」の部分もちゃんとマニフェストに書いてもらいたい。年収の十倍の借金をして、世界的不景気。これで消費税も上げないで、お金はバラまく。これはいくら何でも無理な話で、どこかで誰かに負担をしてもらわなければならない。国債を発行するということは次世代に負担を利子を付けて押し付けることだ。国債と言うと普通の国民はそんなに実感が湧かないかもしれないが、今負担をかけるのを避けるためにもっと大きな負担を子供たちに負わせていることなのだ。
折角参議院選挙があるので、このチャンスにマニフェストを修正しその上で過半数の議席を得られれば、野党からマニフェストに反すると攻撃されても、修正したことは国民の承認を得たといえる。
私は、もし民主党がマニフェストの誤りを正直に認めれば「だから民主党はダメだ」という人と「民主党は誠実だ」と思う人と両方いると思う。必ずしも支持を失うとは限らないと思う。

正直に非も認めて、その上で実現可能な政策を掲げ、実現していくのが最も望ましいやり方だと思う。
これが私の願い。

0 件のコメント:

コメントを投稿